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山本良一理事長 挨拶

山本良一理事長

 東京都公立大学法人理事長として、法人を代表して一言祝辞を申し上げます。

本日、晴れて学位授与式を迎えられた皆さん、それからこれまで温かく見守ってこられたご家族の皆さま、本日は誠におめでとうございます。
 また、ご関係者の皆さまにおかれましても、様々なご支援・ご協力賜りまして心から感謝申し上げます。

 ご承知のように、一昨年から現在に至るまで世界は新型コロナウイルスのパンデミックにより大変な社会的かつ経済的打撃を受けております。こうした中、産技大においては、かねてよりオンラインをフルに活用し、遠隔授業により学校運営を継続し、学生の皆さんに対する修学の確保のため、川田学長をはじめ、教職員一同がしっかりサポートしてまいりました。皆さんにとっては、これまでの生活が一変し、様々な制約がある中でも、これまで経験したことのない厳しい状況の中でも勉学や研究に励み、今日の日を迎えられました。皆さんのこれまでのたゆまぬ努力に敬意を表します。

山本良一理事長

 さて、世界は新型コロナウイルスのパンデミックばかりか気候と環境の危機にも見舞われております。地球生態系を破壊することによって自分自身の未来を脅威にさらしているのです。私たち一人ひとりがこの危機を認識し、何ができるかを考え、未来を守るために行動を起こさなければなりません。

 現在、世界は脱炭素化とサステナブルな社会の実現に大きく動き出しております。世界の1000を超える大学も2050年カーボンニュートラルを目指しており、東京都公立大学法人においても、昨年の7月16日に日本の国公立大学で初めて気候非常事態宣言を発出し、2050年までにカーボンニュートラルを達成することを目標としました。産技大においても、PBLの中でデジタルSDGsをテーマにしたものなどサステナブルな社会の実現に向けた教育・研究に積極的に取り組まれています。

 皆さんはこの先様々な分野でご活躍されると思います。どのような職業であれ、また世界のどこに行かれても、新型コロナウイルス感染症や気候と環境の危機をはじめとする先を見通すことが難しい問題に向き合っていかなければなりません。産技大と東京都公立大学法人は気候危機など地球規模の課題から私達が暮らす大都市「東京」が抱える課題など、様々な問題の解決に向けて全力で取り組み、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。皆さんは産技大で学んだことに自信と誇りを持って、自らも努力しながら、大学で得た知識や経験を存分に発揮し、私たちの住む地球が直面しているあらゆる課題解決に挑戦し、広く社会に貢献されることを願っております。

令和3年度入学式風景

 最後にはなむけの言葉を贈ります。それは「人と人との出会いを大切に」ということです。

 人間を大事にし、困っている人がいたら進んで助け、自らも助けてもらうことをためらわないということです。大きな仕事は一人では出来ません。

 福沢諭吉は、「世の中に最も大切なるものは人と人との交り付合なり。これ即ち一つの学問なり」という言葉を残しておりますが、これはつまり、「学問の究極は人間交際にある」ということであります。産技大で出会ったクラスメートや先生方との縁を大事にしていってください。

改めて、今日の日を心からお祝いし、祝辞といたします。

令和4年3月19日
東京都公立大学法人理事長 山本良一

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