令和2年度秋季学位授与式
令和2年10月18日(日)、東京都立産業技術大学院大学秋季学位授与式を実施しました。この日、創造技術専攻5名が修了しました。修了生に向けた学長の式辞を紹介します。また今年度の秋季学位授与式は新型コロナウイルス感染防止対策として、一部教員は遠隔での参加となりました。
川田誠一学長 式辞
この度、修士の専門職学位を授与される5名の皆さん、誠におめでとうございます。ここに皆さんの学位授与を心からお祝い申し上げます。またこれまで皆さんを支えてこられたご家族や関係者の皆さまに心よりお祝い申し上げます。
さて、令和2年10月1日には開学以来学生募集総数1,410名、入学者総数1,501名となりました。そして、本日の学位授与により、累計しますと平成18年に開設した情報アーキテクチャ専攻では情報システム学修士597名、平成20年に開設した創造技術専攻では創造技術修士481名、合計1,078名の修士を総数として本学は送りだすこととなりました。
本学のように高度情報人材育成とデザインと工学を融合した高度ものづくり人材育成を総合的に実施している専門職大学院は日本でも本学だけであり、このユニークな教育の実践について、文部科学省を始めとして政府機関からも本学に大きな期待が寄せられるようになってきました。
実際、文部科学省がここ3年間、本学を研修場所に選び、北は北海道から南は沖縄までの大学職員100名以上が毎年本学を訪れ、社会人大学院の運営のノウハウを学んでいます。そのときの講義で私が強調していることは、社会人が学びやすい環境を大胆に作っていくことが重要であること、高校卒業後直ちに大学に入学し大学院に進学した学生を受け入れる従来の大学院の常識からいったん離れて社会人、それも22歳から70歳台までの多様な経歴を持った学生を対象とした学びの仕組みを構築する必要があることを力説しました。今後は、本学のような大学院が当たり前のように運営される時代が来るのではないかと考えております。
さて、専門職大学院が、社会からの高い評価を得て、将来に向けて発展を遂げていくためには、『各専門職大学院が関係する産業界、学協会、職能団体、地方公共団体等との連携を図りながら、制度の趣旨を踏まえ、理論と実務を架橋した実践的な教育の充実に不断の努力をしていくこと』が求められています。本学では、日本IBM最高顧問の橋本氏を委員長として、日本を代表する産業界のリーダーの方々を委員とする運営諮問会議を設置しています。また、地域の自治体や信用金庫などの諸機関や産業界と連携し、東京都が設置した専門職大学院に相応しい活動を継続し実施してきました。
このような本学の活動は文部科学省の制度設計にも影響を与え、すべての専門職大学院が本学の運営諮問会議のような会議体を設置することが法的に義務付けられるようになりました。まさに、本学が日本の高度専門職人材育成の先陣を切っているといっても過言ではありません。
また本学教員が学生と協力して海外でPBLを展開する試みも今年度は数多く実施されました。そして、本日学位が授与された皆様は、2月11日に開催されたAIITPBLプロジェクト成果発表会において、その学びの集大成を披露されました。
皆様は高いコンピテンシーを獲得され、一人の天才の力とは異なるチームが発揮する天才の力で様々な課題を突破する能力を獲得したことと思います。そして、幅広い人脈と素晴らしい思い出も手に入れました。
このことは、皆様の今後のキャリアアップ、キャリアチェンジ、スタートアップにおいて大きな力となることでしょう。
どうか皆様、本学で学んだ知見を活かし、幸せな輝かしい人生を歩んでください。
誠におめでとうございます。
令和2年10月18日
東京都立産業技術大学院大学
学長 川田誠一