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「人を動かす」を前提とした時間の使い方を体得

宝徳

事業設計工学コース
宝徳 光樹さん
2022年修了
株式会社IHI所属
東京工業大学 出身

業務の延長上にない新たな視座を求めて

システムアーキテクトとして工場のスマートファクトリー化を進めていた時のことでした。ITにより生産性を向上させることは、「両利きの経営」でいうところの「知の深化」に当たります。では、利き腕のもう一方、収益のチャネルを増やす「知の探索」は? 業務の延長上では回答に辿り着けそうにありません。仕事に自分のカラーを打ち出したいと思い始めた時期とも重なり、新たな視座が養える場所を求めました。
資格取得を目指して退職し大学院で学び始めた友人もいましたが、私が望んだのは、実務に即したスキルアップやキャリアアップにつながる学び直しです。新たな知識は書籍からも得られますが、この機会に体系的な学びを徹底したく、目的を持った教育がパッケージとして整備されたカリキュラムに沿い取り組みたい。そう考え社会人学生のための大学院を調べた中で、仕事を続けながら学ぶのに最も適した制度を整えていたのがAIITでした。

趣味を中断しても学ぶ面白さが優った

あいにくコロナ禍と重なり、授業は全てオンライン化されました。
学ぶ場所は自由になりましたが、平日は就業後22時まで講義を受講。AIITでは講義にもアクティブラーニングが導入されていてグループ学習が多く、同級生とは連日深夜まで課外の議論を続けました。さらに土曜日は、9時から17時まで講義があるので、在学中は週末のテニスをほぼ諦めました。
ただ、授業を詰め込んだスケジュールを組んだのは私自身。履修が可能であれば、興味が湧いた科目を次々に選択したため、事業設計工学コースの科目はほとんど履修し、他コースの授業も受講していたのです。修了に必要な単位数を大幅に超えて修得した2年間につらかったという記憶がないのは、学ぶことの面白さが優っていたからだと思います。

2年間の学びを生かした新規事業の立ち上げ

2年次のPBLでは、1年次に学んだことをフル活用し、創業を想定したビジネスモデルの構築に挑みました。
一緒に取り組んだのは、私を最年少に15歳ずつ離れた2人。有する知識や経験、学び直しへの目的が異なる者同士の議論には、社内会議にはない緊張感と刺激があり、バックグラウンドや世代の違いを前提とした協働には、相互に敬意と配慮があったと思います。
AIITでは事業を新たに立ち上げるための考え方や手法、プロセスなどを数多く学び、最適解を導くにあたって比較衡量する選択肢を得ました。それ以上に私にとっての収穫は、人を巻き込み動かすことを前提に、限られた時間を有効に使う術を体験的に身につけられたことではないかと考えています。修了後はそうした学びの成果を生かし、社内でGX(グリーントランスフォーメーション)を推進する新規事業を立ち上げました。

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