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仕事人生の後半に向けて能力をバージョンアップ

土井

土井 利次さん
創造技術コース
2022年修了
株式会社NTTデータCCS所属
京都大学大学院 出身

新規事業の責任を担い学び直しに挑む

AIITに学び直しの場を求めたのは、新規事業を創出する責任者に就いたことがきっかけです。学生時代の20代前半から30代半ばまで、人工衛星に搭載する宇宙ロボットの開発に挑んだのは、未開拓の分野での仕事に惹かれたため。同じ理由で新規事業の立ち上げに意欲を持ったものの、そのための発想や手法が分かりません。会社での仕事がマネジメントになって久しく、現場感覚は過去のものとなり、新しいテクノロジーの知識も不十分でした。

そこで学び直しによりバージョンアップさせた能力と、かつて抱いた仕事への初心を持って新規事業を起ち上げようと考えたのです。

AIに関する学びを中心に他コースの科目も履修

1年次は、カリキュラムの高い自由度を生かして履修科目を選択。創造技術コースでAIの関連分野や人間中心設計を学びつつ、その周辺領域で興味を持った科目として、情報アーキテクチャコースのアジャイル開発に関する授業や、事業設計工学コースの事業設計やロードマッピングに関する授業も受講しました。

プログラミングも四半世紀ぶりに自分で組み上げ、使用言語や技法を更新。最新の開発環境を理解すると、実務の現場で感じていた若手とのギャップが次第に埋まり、コミュニケーションを取りやすくなってきました。

PBLで実践できた新規事業の創出

1年次だけでも大きな成果を得たうえで臨んだ2年次のPBLでは、米の流通を題材に循環経済を実現するモデルの構築に取り組みました。私が特に力を注いだのは、プラスチックに替わる、再資源化が容易な自然素材での包装容器の開発でした。

PBLを通して、新規事業の創出とは、新しい人・材料・情報をミックスして生まれたアイデアを、既存にない方向に発信することであると学びました。発信する方向が定まるまでは、アイデアの収束と拡散を繰り返します。その過程は、計画からぶれないことに努めるプロジェクトマネジメントとは対極といえる、新鮮な経験でした。

2年間の学び直しによって頭の中で雑多な状態だった知識は整理され、知識同士を結合し新たな知見を生んだり、抜けているところをいち早く発見し補ったりすることが容易になりました。その効果か、入学と同じ時期に提供を始めたサービスを、修了時には軌道に乗せるまでに至りました。

講義でのグループ学習やPBLで身に付けたチームビルディングの手法を職場に反映し、開発チームの状態も良好です。そして何より私自身が、会社という組織を離れても新たな事業を興せるであろうという、人生後半に向けた自信を養えたことが、AIITで学んだ最大の収穫かもしれません。

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