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第132回コラム「自粛期間の食卓」

2021年7月1日

河西 大介 助教

 このところ、外出がめっきり減りキッチンに立つ時間が長くなりました。自粛期間中の楽しみの一つは、何と言っても食事ではないでしょうか? 私は美味しいものに目が無いので、毎日の食事とおやつは自粛期間でなくても至福の時です。

 私は昔から何かを作ることが好きだったので、料理もいつの間にか趣味の一つになっていました。働きだしてからは、健康や節約を考えてお昼にお弁当をよく作っています。お弁当箱に栄養バランスや、美味しく見えるように盛り付けを工夫しながら作るのは、私にとって楽しいひとときです。お弁当が美味しく見える色の数は3色以上と言われていますが、実際に自分で作ってみてもやはり最低3色で、理想は5色あると華やかで美味しそうに見えるような気がします。ですが、色の数が増えるということはおかずの品数も増えることを意味し、比例して時間もかかってしまいます。だから時には、茶色弁当(写真1の上段左から4つ目:餃子弁当)になってしまうこともしばしばあります。個人的には、茶色い食べ物に不味いモノはないと勝手に思っていますが、側からみたら少し地味なお弁当に見えるかもしれませんね。

河西先生コラム1

写真-1 手作り弁当(30種類_撮影:河西)

自粛を始めたばかりの時は楽しんでいた料理も、期間が長くなるにつれて飽きてきます。自分の持っている料理のレパートリーも出し尽くしてしまうと尚更です。そこで、料理のマンネリ化を解消するために、新しく導入したのが低温調理器です。前々から欲しいと考えていたこともあり、思い切って購入してみました。低温調理器は、専用の容器や鍋に取り付けることで指定した時間、一定の温度にお湯を保ってくれる調理器具です。お肉、お魚、お野菜などをじっくりと時間をかけて火を通すことで、とても柔らかくしっとりと仕上げる事ができます。ただ、本当に時間がかかります。調理する食材にもよりますが、1時間から3時間は当たり前で、長いレシピになると一晩中かかります。昨今、簡単に、時間をかけず、安定して美味しく、キッチンを汚さない食品が安価にどこでも手に入ることを考えると全く逆方向の代物です。しかしながら、手間も時間もかかり、洗い物も増え、調理器具も食材にもお金がかかる事を、私はどうやら楽しむことができるみたいです。

 さらに、一度ハマってしまうと何処までも探求したくなる性格なので、低温調理器の購入後は毎日の様に食材を変え、水温を変え、調理時間を変えて調理実験の日々が続きました。時には同じ素材を、水温と調理時間をわずかに調整しながら一番美味しいと思える条件を割り出すため、数日間同じものを食べる日もよくありました。そんな失敗も成功も多々ありましたが、成果の一部として2021年のお節料理にはローストビーフや鶏むね肉のハムなどを調理しました。(写真-2)。自画自賛ですが、とても美味しくできたと思っています。

河西先生コラム2

写真-2 2021年のお節料理(撮影:河西)

 外出を規制されたことで、自分自身の内側を垣間見る機会がおおくなり、改めて自分の得意不得意などを受け止めているところです。誰しもが同じ空間に居続けることで、少なからずストレスが蓄積し、知らぬ間に元気がなくなってくると思います。そんな状況下ではありますが、どんな限られた中でも楽しみを見出せたなら、毎日を健やかに過ごせるのではないでしょうか。今はまた、得意料理を家族や友人と楽しめるときのために、もう少しだけ一手間も二手間もかかる楽しい時間を重ねようと思います。

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