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第76回コラム
未来の予測 - ビッグデータ

情報アーキテクチャ専攻 慎 祥揆助教

 最近我々が生活している世界はIT技術の発展と共にものすごい変化をしています。全ての人がこのような変化を知る必要はありませんが、すでに私たちの生活はITとは離れられない時代になりました。少なくともIT関係の仕事をしている私たちはこのような変化という大きな流れに乗り遅れないようにしなければなりません。
 大きいITの流れの中で今回はデータ科学、その中でもビックデータについて話します。
 皆さんも何年も前から「ビックデータ」の用語はあちこちで耳にしたことがあると思います。研究者やエンジニアの中で知られていったこの用語が世の中で大きな話題になって一般人の耳にも入るようになったのはいつからでしょうか。
 フォーチュン500の企業の90%以上がビックデータを活用しているか、活用する予定であると発表しました。しかし実際の生活でビックデータをどのように活用するのか、実際成功したという話はあまりありません。
 ビックデータを活用して実際成功した例は政治から出ます。オバマ大統領は再選のために、スティーブ・ジョブズやエリック・シュミットなどの様々なIT関係者からアドバイスを受け、ビックデータ選挙戦略を立ち上げます。
 2億名という歴史最大のデータ、一人あたり最大1000個になる情報をデータベース化し、分析、予測を行います。その結果をもとに誰から説得するべきであるかを順番付け、目録化するなど、最先端の選挙活動を行います。
 今までは、ある分野の知識を持つ専門家や、会社のトップの今までの経験をもとに決定を決めることが多かったでしょう。マーケティングの分野でも多くの人に対し、一番効率的だった過去のデータをもとに専門家や経営人が決めることが多かったように思います。これを私たちは「リーダーシップ」や「洞察力」と言いました。もちろんこのような「直感」は大事なことです。しかし、今は「直感」するために、データの収集と分析、それによる予測がデータ科学の名で行われています。テレビコマーシャルのような一方的な話から、それぞれ一人一人の話(ニーズ)を聞くことができる時代に移動しているということです。
 激しく変化する世の中のニーズに対し、より早く対応したり、一人一人のニーズをもとに今後のマーケットを予想するなど、様々な仕事がまずデータ収集から始まる世界で我々はすでに生活しています。
 今後ITをマーケティングや開発に利用しようとする方は、オバマ大統領の成功の例から、今後データの重要性がますます高くなることが分かったと思います。
 あるデータをいかに加工、分析して、未来を予測するかが今後のIT世界の勝組を左右するのではないでしょうか。ただ提供される情報を受け取るだけではなく、皆様も世の中に大きく流れている情報から自分なりの分析方法や予測方法を見つけてみましょう。

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