25年の経験を理論で語り直す。AIITで深める技術戦略の学び
事業設計工学コース2年生 (2026年8月取材)
亀津敦さん
システムインテグレーター
東京大学 出身
技術戦略を学ぶため、科目等履修から
私はITサービス企業で働いています。25年間、システムインテグレーターとして技術調査に携わってきましたが、3年ほど前から本格的に技術戦略の策定に関わるようになり、学術的な基盤を身に付けたいと考えました。また、50代になって若手に経験を伝える立場となり、経験則に頼ってきたことを体系的に説明するためにも、学び直しが必要だと感じました。
Webで調べる中で知ったのが、科目等履修生として技術経営戦略の講義を受けられるAIITです。最初は入学するかどうかにはあまりこだわらず、受けたい講義を可能な範囲で少しでも受けようと考え、
AIIT単位バンク制度
を利用して入学前の1年と1クオータで合計14単位を履修しました。
ハイフレックス形式で受講
できる柔軟さも、進学を決めた理由です。急な出張や仕事でキャンパスまで行けない時でもオンラインで学べる柔軟さは社会人学生にはとてもありがたいです。同じ年に入学した同級生の中には海外から学んでいる方もいて、「こちらは朝5時です」と早朝から講義を受け、その後に仕事を始める方もいました。
講義後の研究室で先生と議論する
特に魅力を感じたのは、先生方との“距離の近さ”です。科目等履修生の頃から、講義後に研究室を訪ね、関心のあるAIと企業組織の関係について先生と1時間ほどお話しし、論文を紹介していただいたり、議論させていただいたりしました。自分から働きかければ、先生と個別にじっくり話す機会も持てます。また、3つのコースの間の垣根が低く、他コースの科目も履修できます。事業設計工学コースの科目に加え、情報アーキテクチャコースの科目でAI(大規模言語モデル)を手元で動かす講義も受講し、会社の環境でもすぐに実践できる内容まで学びを広げられました。
自分の頭でじっくり考える訓練ができるのも魅力です。日常の仕事では、目の前の業務を片付けることに意識が向きがちですが、一度立ち止まって「学術的には、よりよい方法があるのではないか」と深く考える癖がついたと思います。
音楽と映像で、地域との関わりをつくる
PBL(Project Based Learning)
では、富山県黒部市の宇奈月温泉で活動しています。地域の「宇奈月モーツァルト音楽祭」に着目し、黒部峡谷の風景を背景に演奏家の皆さんのパフォーマンスをドローンで撮影する実験をしています。その映像を通じて、地域を訪れる人や、自分も撮影してほしいという人を増やすことが狙いです。
実際に、7月にはドローンを操縦できるPBLの先輩に協力していただき、演奏する姿を撮り、地元の方々に映像をお見せすると、「こうした映像を撮れるとよいですね」という反響をいただきました。今後は、撮影を希望する人が継続的に訪れた時に、事業として成り立つかを考えていきます。
本業ではほぼすべての業務がプロジェクト単位で進むので、PBLはこれまでの経験が通用するかを確かめる場にもなっています。一方で会社とは違い、対等な立場のメンバーと意見をすり合わせながら進めることも、新鮮な経験です。AIITに少しでも関心がある方には、まず行動を起こしてみることが大切だとお伝えしたいです。