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学び直し後>起業
相反していたコスト・納期・品質がPMを学び一体として管理可能に

倪 永華さんの画像

情報アーキテクチャ専攻 2012年修了
天津大学 出身

株式会社 豊和ソフト 代表取締役 倪 永華さん

ワンランク上の技術経営者を目指して

 AIITで学び、経営者として一回り大きくなれたことを実感しています。

 中国でソフトウェア開発を学び来日。その後AIITで学ぶまで約15年、日本のIT分野でキャリアを重ねてきました。その間に同僚と会社を立ち上げもしましたが、さまざまな面で行き詰まりを感じるように。それは日本人とのコミュニケーションの問題であったり、営業面での不調であったり。技術面でも急速な進歩に追いつけていませんでした。中国で学んだソフトウェア開発はDOS環境によるもの。当時はWebもなく、通信系を学んだ経験もありません。インターネットの活用が前提となる時代に、Webや通信について十分な知識を持っていないことは、弱みであると自覚しました。

 AIITに入学したのは、知人の推薦があったから。日本で知り合った同郷の経営者にビジネスを展開していく上での課題を打ち明けたところ、彼は自身が卒業したAIITでの学び直しを勧めました。調べてみると、働きながら学べる環境や制度が整っています。しかも公立。中国人の感覚では、公立学校は教育の信頼性が高く、上位に位置づけられるのです。そこで私は、技術系の経営者としてワンランク上に立つため、AIITで最新の情報技術を系統立てて学ぶことを決めました。

興味ある分野を伸ばし弱みを克服する

 入学後は、自身の興味ある分野と弱みとされる分野を意識的に学びました。興味ある分野とは、主にコミュニケーションに関することとプロジェクトマネジメント(PM)。弱みは通信系の技術です。これらをバランスよく学び、興味ある分野は自身の強みとし、弱みは克服できるように、それぞれの知識を身につけていきました。

 特にPMについては、PBLもこれをテーマとするチームに参加し、幅広い年齢層の日本人と、仮想プロジェクトの立ち上げから終結までを体験しました。各フェーズで求められるドキュメントを作成しつつ、一連の流れをシミュレーションし、PMの仕事を一通り学べました。プロジェクトを進めるためのコミュニケーションを体得できたことも、私には大きな収穫でした。用いられる言葉や表現から、その背景にある本意を読み解けるようになったのも、PBLでのグループワークがトレーニングになったと思います。また、PMの視点で仕事を見られるようになった結果、かつては目の前の業務で対立しがちだった品質・コスト・納期の管理が一体として捉えられるようになりました。

意思を経営に生かすため代表を務める会社を起業

 学んだ知識に確信を持った私は、経営者に自分の意思をより反映したいと考えるようになり、修了から3年後、自身が代表取締役を務める会社を立ち上げました。顧客や従業員とのコミュニケーションを促進し、人の輪を大切にすることを経営の柱とした会社は、売り上げを順調に伸ばしています。

 その結果、想定以上に忙しくなり、一緒に学んだ同期生やAIIT出身の経営者の集まりに顔を出せないことが新たな悩みに。今後は仕事の形態を工夫するなどして時間をつくり、皆さんと交流したいと考えています。

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