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学び直し後>起業
自然発生的につながった仲間とプロダクトチームや会社を結成

森 憲朗さんの画像

創造技術専攻 2013年修了
武蔵野美術大学 出身

コンサルティング会社 ファブレスメーカー 代表取締役
森 憲朗さん

多様な人が集まる場で他流試合に挑む

 日系及び外資系メーカーで長年、プロダクトデザインを担当してきました。AIITに入学したのは、インハウス・デザイナーとして培ってきた力を“外の世界”で試してみたくなったからでした。

 学生の8割を社会人が占めるAIITには、年齢や職業、学び直しの理由や出自などバックグラウンドが異なる様々な人が集まります。そうした人たちに対し、自分の言葉をぶつけたり、逆にここに来なければ出会うことがなかった人の考えに耳を傾けたりする中で、デザイナーとしての力量を測り、さらにはデザインが持つ力の可能性を探ろうと考えました。

 グループワークを取り入れた授業が多く、チームでプロジェクトに取り組むPBLが必修科目として設定されているカリキュラムは、“他流試合”に挑むには格好の場でした。在学中の機会を最大化しようと、情報アーキテクチャ専攻にもつながりを求めました。また、多忙な業務と両立を図るために選択した3年間の長期履修は、翌年の入学者とも学ぶことになり、出会いの機会を増やしてくれました。

未知の経験と出会いを求めて自ら動く

 入学後に履修したのは、経営者の発想や思考の理解につながったり、未知の領域に関わることの出来る科目。同じ基準で選んだのが、東南アジア諸国に人材育成策を提言するPBLです。外資系メーカーにいた私も、国家レベルの国際協力プロジェクトは未経験です。また、創造技術専攻と情報アーキテクチャ専攻の学生が協働するPBLであったことも、これを選択した理由でした。

 PBLで構築した提言は後日、国際研究機関に報告しました。その際、担当教授の計らいにより、私がプレゼンテーションをするという貴重な経験も加わりました。

課程を修了した後も続くAIITや人とのつながり

 修了後、AIITで出会った仲間とチームを組み、ロシアのデザイン・コンペティションに応募。2年連続で最優秀賞と優秀賞を受賞しました。そのチームは、AIITの中で自然発生的につながっていった者同士の集まりです。

 当初、国内のコンペに出品した段階では形を成していないアイデアレベルのプロダクトでした。そこで手応えを感じた私たちは素材や工法を吟味し、より具体化する議論を重ね、形あるものとして完成させたのです。各専攻を修了した後の話ですから、私たちはすでにAIITの学生ではありませんでしたが、引き続きここが活動の拠点でした。

 私たちが協働してつくりあげ、「KOMOREBI」と名づけた世界最薄の鋳鉄製のバスケットは、その後も品質を高めています。そして、私がチームメンバーの一部と起業した会社が、世界に広める役割を担い、国内外で開催されるインテリア系の展示会などに出展しています。

 また、この会社はデザインの力で経営を促進するコンサルティングも展開。そこではAIITでの議論を通して培った、専門用語を使わないプレゼンテーション力を発揮しています。AIITで学び直し、私は協働する仲間と共に、提案するデザイナーとしての新たな力と目標を手に入れました。

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