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学び直し後>起業
学び直しに費やした時間と費用は一生ものの財産として返ってくる

須藤 定夢さんの画像

創造技術専攻 2015年修了
音響技術専門学校 出身

大学講師
株式会社 オプティカルフォース 代表取締役 須藤 定夢さん

50歳を人生の節目とし学位取得と起業に挑む

 50歳には修士の学位を取得し、起業しようと考えていました。人生の節目に期した、私なりの決断です。

 専門学校を出てから映像制作のポストプロダクションでキャリアを積み、映画やテレビ番組、コンサートやイベントで流す実写とCGや実写同士の合成映像を主に手がけてきました。また、その技術を大学や専門学校で教えており、AIITに入学したときは3校で講師を兼務。修士の学位を求めたのは、教えている学生よりは上位の学位を持っておこうと考えたからです。

 AIITを選んだのは、平日の夜間と土曜日に授業が開かれる社会人向けの大学院として以前から注目していたため。しかし、本業と講師で、すでに4足のわらじを履いています。さらに社会人学生という5足目を履くことは可能かを自問し、まずはAIITに科目等履修生として学びました。半年間通学して、時間のやり繰りは自分次第であることが分かったことで、48歳になる年に正規入学します。同期では最年長でした。

失敗事例を多く学び起業の反面教師とする

 入学後は会社の立ち上げや、組織や事業のマネジメントに関する分野を中心に学びました。その中で理解に努めたのは、失敗事例の背景と要因です。事業が上手く進まなかったケースには、会社の規模や業界の特性、社会的な環境を問わず、人のモチベーションなどに関する共通の要因が含まれていると考えたためです。

 また、組織を固定して捉えず、新しい風を吹き込ませることの大切さも学びました。それらの知見は、修了後に立ち上げを予定していた会社の組織のために使うもの。実際その多くが、起業した会社の経営に役立っています。

 PBLは、東京オリンピック・パラリンピックでの稼動を想定した「おもてなしモビリティ」を考案。近未来的フォルムの車体に様々な情報を映し出す機能を搭載した移動型インフォメーションセンターをデザインし、模型をつくりました。仕事では映像という平面の世界を長年扱ってきたため、在学中しかできないこととしてプロダクトの製作に挑んだのです。一方で車体に表示する映像や成果発表会で投影したビジュアルでは、本業の技術を発揮することもできました。

 学ぶために切り捨てたのは、それまで酒の場などで費やしていた時間。それなりに楽しい時間でしたが、使ったお金は返ってきません。その点、学びに使ったお金は、一生なくならならず、その後のキャリアに活かせる財産となって返ってくることを実感しました。

AIITで受けた実践的教育を若い世代に提供する

 修了した3ヵ月後、3DCGのアニメーター集団となる会社を起業。立ち上げた会社では、実際の映像制作は若いスタッフに委ね、私は制作プロデュースと経営に専念しています。

 大学での講義はいまも複数校を受けもっており、起業後はネットでのオンデマンドセミナーも開催しています。

 2019年にはアニメーター育成塾を開く計画。私がAIITで受けた実践的な教育を提供し、即戦力となる映像技術者を育成したいと考えています。

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