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PBLで経験した“貴重な失敗”を糧に休眠させていた会社を再起業

茂木 真さんの画像

情報アーキテクチャ専攻 2018年修了
東京学芸大学 出身

アンドロイドアップ合同会社 代表 茂木 真さん

会社を休眠させた原因を補う学び直し

 かつて立ち上げたまま、休眠させている会社を持っていました。これを再稼働させようと、AIITで学びました。雇用保険の給付制度である教育訓練給付制度を活用するため、就学期間は正規の2年。学びに集中するため、Webプログラマーとして働いていた会社を辞めて、定時に退社できる職場に移り、学び直しの環境を整えました。

 起業した会社を休眠させた理由は様々ですが、要約すればアンドロイド・アプリを開発したいという思いのみで起業したものの、事業を継続させるための知識と体制が不十分だったと自己分析しています。そこで最新の情報・通信技術をキャッチアップしながら、プロジェクトマネジメントなどを学ぼうと情報アーキテクチャ専攻に進学。同コースで企画や財務、ビジネスやサービスの設計に特化したストラテジスト(グローバルスペシャリスト)コースを選択しました。

結実しなかった2つのプロジェクト

 入学後は企業戦略や財務、法律の授業などを履修。著作権や意匠に関する法律を学んだことは、会社を再興させて以降、心強い知識となりました。

 2年次には、コースの延長にあるPBLを選択。途上国の貧困層に向けた経済振興施策の提言をテーマとするPBLで、私は中小企業を活性化させる人材育成と、アジアの貧困農村を支援する2つのテーマに取り組みました。

 前者では、中国人留学生が母国の中小企業支援策を考案するためのサポートに徹しました。日本の元気な中小企業へのヒアリングを設定するため、私がいわば“飛び込み営業”をして、「下町ロケット」で知られる会社への橋渡しをしました。

 私にとってメインのテーマは、アジアの貧困農村支援です。クラウドファンディングにより農作物の拡販を図ることが目的でした。しかし、このプロジェクトが頓挫し、急遽、国内の農業支援に対象を切り替えました。

 新たなプロジェクトは、広島県にある農業高校の生徒が生産する乳製品やパン、精肉などのクラウドファンディングを活用した販路拡大です。学校はもちろん、地元企業とも連携。私も広島に足を運び、プロジェクトを進めました。資金調達の窓口となるWebサイトを設計するなど、担当した作業は先行させていたものの、結果的にはこれも実行には至りませんでした。

PBLでの課題を再起業した会社で継続

 結果としてはPBLで十分な成果を得ることができませんでしたが、失敗から学んだことはたくさんあります。私はこれを糧として、自身の会社を再起業しました。中核とする事業も当初の計画を変更し、クラウドファンディングを促進するアンドロイド・アプリの開発を目指すなど、PBLでの取り組みを継承することにしました。プログラミングの技術だけで起業した最初の起業時と異なり、今回は企画や財務管理の知識というもう一つの足場があります。さらに一緒に学んだ仲間という人的財産もできました。その仲間とは、修了後も毎月のように夢工房※で会い、事業のアイデアを語り合っています。

※夢工房(東京夢工房)…大型モニタ−等が設置されたミーティングスペースと、3Dプリンター、レーザー加工機等が設置されたワークスペース。

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