第8回インタビュー
視野が広がり、仕事でも充実の毎日
―PBLの成果をふり返って―
今回のインタビュイー
稲垣克比呂さん
2011PBL発表会で小山裕司教授やかけつけた修了生と記念撮影する小山PBL(中央後ろが稲垣さん)
プロジェクトで苦労した点は?
稲垣 何より、時間をつくることですね。みな仕事を持っていますから、全員が集まる機会を持つことが非常に難しかった。個人での作業の時間もどうしても限られます。幸いにして、メンバーの得意分野が異なっていたので、自分のできる範囲でやっていって、それをみなで共有するスタイルでプロジェクトを進めました。私は仕事柄、得意はウェブの開発に関する部分を担当して、調べてきたことをメンバーに展開したりしていました。
担当の小山教授は、プロジェクトにどのように関わっていらっしゃいましたか。
稲垣 メンバーが集まっていると、まるで遊びにでも来るようにふらりとやってくるイメージですね(笑)。あまり口を出し過ぎることなく、メンバーの自主性を大切に見守りつつ、要所をチェックするようなご指導でした。たとえば成果発表に際しては、要点を絞って統一感のある発表物をどのように作るかといった実践的なアドバイスをいただきました。
AIITを修了して、以前とは変化がありましたか。
稲垣 実は、転職先を先生から紹介いただいたのです。前職と同じプログラム開発の仕事ですが、大手ベンダーからの委託を受けるのではなく、自社でサービスを開発する会社です。世界に向けて自社の真価を問うようなビジネスが始まろうとしているところで、そこに携わる毎日は、とても充実しています。同期生とのつながりが得られたことも大きいですね。修了後も学校主催の勉強会に参加したり、毎年のPBLの成果発表会の後で集まったりしています。いろいろな場で活躍する仲間との語らいは、大いに刺激になります。
今、ふり返ってみて、AIITから何を得たと思いますか。
稲垣 私にとってAIITは、専門性を深めるというより、広範な知識を修得する場でした。それだけに、視野がグンと広がりました。また、授業やグループワークでは、プレゼンテーションを多用します。見せる力、伝える力が養われるわけです。私は情報アーキテクチャ専攻でしたが、発表会で創造技術専攻のプレゼンテーションを見るのも面白かったですね。情報をプロセス順ではなく、ゴールから見せる方法などは、とても参考になりましたし、今もそうした考え方が役立っていると思います。仕事も年齢も異なるけれど、学修への意欲が高い学生たちが集まる環境自体も魅力です。修了後もつながりを保てますし、何よりよい刺激になりますね。マネジメント、エンジニア等、それぞれの立場でITをビジネスに生かす力を磨きたい人には、特にAIITの学修は向いていると思います。