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講義内容紹介


 1年次はプログラミングからマネジメントまで、IT関連領域の知識体系を広範にカバーする講義・演習から科目に よって、「情報アーキテクト」としての知識とスキルを修得します。


 2年次は独自のメソッドを駆使したPBL型科目でのプロジェクト演習によって、1年次に修得した知識・スキルの 定着・活用経験と、「情報アーキテクト」としての業務遂行能力(コンピテンシー)を修得します。

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情報

IT系科目群

ネットワークシステム特別講義(選択)

本講義では、数名の学生から成るプロジェクトにより、小規模ネットワークシステムを実際に設計・構築しながら、ネットワークシステム構築プロセスの修得を目指す。構築プロセスの修得を第一の目的とし、あらかじめ設定されたプロセスに沿って作業を行うことにより、ネットワークシステム構築プロジェクトを遂行する能力を身につける。

セキュアシステム管理運用特論(選択)

情報セキュリティ上の脅威に対抗するためには最新の情報セキュリティに関する情報を収集するとともに平時におけるシステムの状況を把握できるようにする等、日常的な運用作業での取り組みが有効である。本講義では、情報システムに対する攻撃を想定したシステム運用や事案発生時の対処方法について事例をあげながら紹介する。また、情報セキュリティに関するテーマでグループワークを行い、調査方法や対策等の提案も含めてプレゼンテーション形式で報告していただく。

IoT開発特論(選択)

各種の機器がインターネットに接続され、情報処理を行う仕組みであるIoT(Internet of Things)は、ソフトウェア産業の重要な一角を占め、従事する情報アーキテクトも増えている。近年では、第4次産業革命、ロボット、自動運転、物流、農業、医療等でも注目されている。本講義では、組込分野で用いられるソフトウェアプラットフォーム技術、背景となる要件、実システム例、業界動向を論じる。具体的には、各種の組込OS、機器技術、スマートデバイス、アプリケーション技術、ロボット、デバイス間接続、大規模データ処理等と業界動向を学ぶ。

システムプログラミング特論(選択)

プログラミングを効率的に行うには、プログラミング言語・開発環境の理解が不可欠である。数百のプログラミング言語が存在し、得手不得手がある。単独の言語であらゆる問題に対峙することは難しい。言語次第で、問題 の扱い自体が変わる。また、実用のプログラムを実装する際、実行効率及び開発効率を考慮する必要がある。当科目では、各種のプログラミング言語(スクリプト言語等)と開発環境に関する講義及び演習からプログラミング技術を修得する。さらに、実行効率の改善のために、データ構造、アルゴリズム、計算量を扱う。優れたデータ構造及びアルゴリズムは実行効率を劇的に改善することができる。開発効率の改善のために、システムコール及びライブラリを活用したAPIプログラミングを扱う。APIの活用は優れた先人のプログラミング成果の再利用に相当する。ライブラリの活用は実行効率及び移植効率にも効果がある。

ネットワーク特論(選択)

本講義では、各種ネットワークサービスを提供するサーバの構築手法および管理手法について学習する。講義は前半と後半の2部で構成され、前半はTCP/IPネットワークの基礎について学び、後半でサーバ構築および管理に必要な知識の習得を目指す。

オブジェクト指向プログラミング特論(選択)

Java言語はサーバ・クラウド・デスクトップ等で稼働するソフトウェアを開発するために広く利用されているプログラミング言語である。本講義では、何らかのプログラミング言語をすでに修得している受講者に対し、Java言語でのオブジェクト指向のプログラミングの授業を行う。講義ではJava言語の中級程度の知識とオブジェクト指向を学ぶ。実際にプログラムを作成する演習を行い、知識を定着させる。

システムソフトウェア特論(選択)

コンピュータの発展により、アプリケーションやメール、ウェブサイトにクラウドと、多種多様なICTサービスを気軽に利用/実装できる時代となった。一方でその裏では、コンピュータを操作・処理・管理・維持するために、OSに代表されるシステムソフトウェアが動いている。特に、Linuxに代表されるUnix互換OSはOSS文化の源流として根差しており、その簡潔かつ合理性さを理解することは、OSの仕組みと特性の理解だけでなく、より上位のソフトウェア構築にも生かすことができる。本授業では、システムソフトウェアの代表としてUnix互換OSを取り上げ、その情報の処理・蓄積・通信する仕組みを理解し、実習することによって利用方法を体得することを目的とする。

情報アーキテクチャ特論1(選択)

当専攻では、情報システム開発に関する各種の知識・スキルを体系的に設計された科目で学ぶことができるが、各科目は大学院レベルの講義であるため、相当の知識を前提としている。修学にあたって、知識の土台がしっかりしていれば、高いレベルで授業の内容を理解できる。また、IT基礎知識の定着は、実際の情報システム開発でも不可欠である。当科目は、IT関連の基礎知識の整理・定着を目的に、基礎理論、システム構成等の当専攻の基礎にあたる内容を学ぶ。

情報セキュリティ特論(選択)

情報セキュリティは、暗号(共通鍵、公開鍵、デジタル署名、PKI)からネットワーク(データセキュリティ、アプリケーションセキュリティ)、組織マネジメント(リスク分析、内部統制)、セキュリティ評価(ISMS、CC認証)まで広範囲にわたる学際的な分野に関わる。本授業では、情報セキュリティの機能である「機密性、完全性、可用性」の観点から情報セキュリティ技術の知識体系および情報セキュリティにおける情報倫理を学習する。まだ体系化されていない技術に関しても、積極的に授業に組み込む方針である。

OSS特論(選択)

Linuxカーネル、GNUソフトウェア、Apache HTTPサーバに代表されるオープンソースソフトウェア(OSS)は、インターネット基盤のサーバ類に広く普及していると同時に、2000年ごろまでの古いソフトウェア産業を根底から変革してきた。当科目は、(1)OSSの思想・背景・歴史、(2)OSSの定義・使用許諾契約、(3)OSSの開発体制(Bazaarスタイル)、(4) OSSの事例、(5)OSS関連の各種動向を扱う。

データベース特論(選択)

Web2.0に代表される最近の情報処理システムでは、従来の情報配信環境から、コンテンツ収集を主体にした情報の自動獲得環境へとパラダイムシフトが進行しつつあり、データベースシステムの機能高度化がますます重要になりつつある。この状況下で、本講義ではデータベース技術者が備えるべきデータベース基本知識の習得を目的として、関係データモデルからSQLの基本となる関係理論、更には最近のDBMSの話題であるテキスト・画像・映像・空間等のマルチメディア非構造データの管理メカニズム、クラウド対応並列分散型DBMSに関するKVS(Key Value Store)の基本的な理論等を体系的に説明する。

データ分析特論(選択)

現在、従来の業務データを用いて素早い意思決定を行うためのBI(BusinessIntelligence)は、大容量で多様なデータを対象にDI(Data Intelligence)へと更なる発展を遂げている。本講義では、現在最も着目されているデータ解析技術に関し、大容量で多様なデータを対象にした統計解析やデータマイニングからの知識獲得技術、基本となる機械学習技術について、体系的な説明を行うことを目的とする。特にデータマイニング技術、機械学習技術として、技術内容の提示だけでなく、具体例をとりあげ、講義により得た知識に従った動作原理と具体的な動作状況を理解することで、実際のデータ解析の基礎を理解できるようにする。

データ分析実践特論(選択)

現代社会では、インターネットの発達、携帯デジタルデバイス、センターなどの普及により、データが爆発的に増大している。この多様かつ膨大なデータを蓄積し、従来とは異なる視点、従来にはないデータを組合わせることで、 新たな知識を抽出して、実世界への適用を図ることにより、ビジネスも含め、現代の情報化社会の変革が行われようとしている(ビッグデータ)。本講義は、現在の情報処理で最も着目されているビッグデータ解析技術を扱う。ビッグデータのデータ特性の分析から解析原理の説明、及びその解析結果の解釈方法について紹介する。ビッグデータを生み出す原動力の一つである SNS(Social Network Services)を対象とし、データの収集方式とデータの解釈方法(グラフ解析)について演習を交えた講義を行う。さらに、ビッグデータ解析処理で広く利用されている機械学習、ビッグデータ処理を支える並列処理技術としてHaDoopの紹介を行い、基本的な演習を行う。 ビッグデータの結果解釈例として、ランキングとリコメンデーション、集合知などの話題をとりあげ、データサイエンスを概説し、ビッグデータ全般の動向について理解を深められるようにする。

クラウドインフラ構築特論(選択)

近年、ネットワークで結ばれたサーバクラスターがコモディティ化すると同時に、そうしたハードウェア資源を、大量に効率よく、かつ高速に管理する手法が求められている本手法の体現として、クラウドコンピューティングの文脈ではInfrastructure as a Servic(IaaS)の考え方に注目が集まっている。当科目では、これをクラウドインフラと呼ぶ。ハードウェア資源をソ フトウェアによって管理するその仕組みは、Web APIを備えた分散システムであり、ハードウェア資源全体を仮想化し、管理を自動化する。当科目では、前半はクラウドインフラを実現するソフトウェアの構造を理解し、オープンソースライセンスのソフトウェアWakame‐vdcを例にクラウドインフラの仕組みを理解し、後半は同様のソフトウェアの設計と実装の演習で仕組みと構造を深く理解する。

エンタープライズ系科目群

コミュニケーション技術特論(選択)

情報システムのアーキテクトにとって、ロジカルシンキングは必須の能力である。業務に関係する文書を作成することはもちろん、プレゼンテーションなどの内容の骨子を構築するためにも必要である。更に、情報システムのアーキテクチャを設計する場面でも、様々なコンポーネントが論理的にデザインされていることが重要であり、ロジカルシンキングはこのような場面にも有効である。本講義では、情報システムのアーキテクトにとって必要となる論理思考を、具体的なトレーニングを通して習得することを狙う。論理的な文書を作成する能力、及び情報処理システムの構造を論理的に整理して体系化するための論理思考を身につけることを目指す。

情報アーキテクチャ特論2(選択)

ビジネスアナリシスを理解する。ビジネス・アナリストとしての基本スキルを身に付ける。ビジネスアナリシスは、International Institute of Business Analysisにより「ビジネスアナリシスは専門職であり、企業のチェンジに関わる。ニーズをはっきりさせ、ステークホルダに価値をもたらすソリューションを推奨する。」と定義されている。ビジネスアナリシスでのタスクは8つの知識エリアに整理され、知識体系としてまとめられている、それはA Guide to the Business Analysis Body of Knowledge(BABOKⓟ Guide)として出版されている。

情報アーキテクチャ特論3(選択)

この授業では情報システムのモデリングを行うために必要となる概念レベルのモデリングについて学ぶ。モデリングとは、情報システムのアーキテクチャを論理的・体系的に記述するための技術である。これは、情報システム開発における上流工程から、その先の、いわゆる超上流と呼ばれるビジネス領域まで幅広く適用できる技術である。これを身につけるためには、モデル化対象領域の分析及び分析結果として得られる要素の総合、帰納的手法と演繹的手法の組み合わせ、抽象度や粒度の調整など、高度に知的な頭脳作業としての概念操作・概念構築の能力を涵養しなくてはならない。この能力を体系的に身につけるために、本授業では、まず、モデルを記述するための表記法について取り上げる。次に、具体的に情報システムのアーキテクチャを記述する演習を行う。これらを繰り返すことでモデリング能力の向上を図る。

情報システム特論2(選択)

将来、CIOとして自社の仕事の仕方を変えていこうする人、情報戦略コンサルタントとしてのお客様(企業)にBPR(Business Process Reengineering)を提案しようとする人が必要とする思考方法、発想法、考え方スキルを学ぶことを目的としている。インターネットに代表される今日のITの発達は、世界中に分散するさまざまな情報へのアクセスを低コストで実現し、また世界中の人々とのコミュニケーションを瞬時に可能にしてくれる。コンピュータを用いた社内業務のシステム化は、日々のオペレーションを効率化し、経営者の意思決定にも大きく貢献している。ITは、企業の競争優位を築く上で必要不可欠な存在であると言える。しかし、ITによる情報化を推進すれば、本当に企業の競争優位を築くことができるのだろうか。本講義では、ITを用いた情報化と企業の競争優位の関係を検討し、デジタル化の本質について解説する。

情報ビジネス特別講義1(選択)

本授業では、ITアーキテクトにとって特に重要な法律であると考えられる、プライバシー、個人情報保護、情報法、著作権法、会社法、金融商品取引法、労働法等の分野についての重要な基礎的知識について授業を行う。平成29年5月より改正個人情報保護法が施行されており、平成25年に成立した番号法には我が国で初めてPIA条項が設けられた。1995年から適用されたEUデータ保護指令(DataProtectionDirective95)に代わり2018年5月25日からEU「一般データ保護規則(General Data Protection Regulation:GDPR)が適用されますが、これは欧州経済領域(EuropeanEconomic Area:EEA、EU加盟国28カ国、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタイン)と個人データをやり取りする日本のほとんどの企業や機関・団体が適用対象となり、同規則への違反行為には高額の制裁金が科されるリスクもある。本授業では、国内外の最新の立法動向を注視しつつ、ケースを取りあげるなどして、参加型の授業を行い、授業参加者の法的考え方の醸成に取り組む。

情報ビジネス特別講義3(選択)

近年、日本においてもITは企業活動における競争優位を図る重要な道具となってきているが、一方でITを戦略的かつ効果的にビジネスに活用していくマネジメント力が強く求められてきており、その養成は急務となっている。講義では、業務改革やIT戦略策定などの具体的な事例を通して、その方法論や管理手法を実務レベルで修得し、ITサービスを提供する組織や企業におけるマネジメント(幹部)としての役割を実践できる人材を養成する。特に実務での事例をベースに体系化、網羅されたカリキュラムとケーススタディーを通して、IT担当役員(CIO)や事業担当役員、起業家として必要となる基本知識を理解し実践出来るようにすることを方針とする。

サービスサイエンス特論(選択)

(1)サービス享受者の行動を分析し、(2)価値と市場を創造し、(3)実際にサービスを提供するための実現手法を開発することが重要となる。サービス提供者が満足するのではなく、顧客が満足する姿を目標としたサービスや市場が望まれる。そこで、本講義においては、損失回避の法則、価値基準の法則、コミットメントの法則、評価バイアスの法則など、合理的ではない人間の行動から発生するビジネスの失敗や消費者の集客手法について論じる。さらに、顧客ロイヤルティを高めるためのインセンティブデザインについて概説し、顧客リテンション性能の高いサービス商品設計について議論する。また、サービス需要者のパーセプション分析に焦点を当て、サービスマーケティング手法の基本的理論と事例について議論する。さらに、近年注目を集めているサービスと消費者行動、サービスサイエンス、サービスエコノミクス、サービスマーケティング、サービスエンジニアリングについて扱う。また、サービスドミナントロジックに基づく顧客価値共創によるマーケティング手法を紹介する。具体的な市場として、旅行業界やカジノ業界に関わる現状を紹介する。

システム開発系科目群

ソフトウェア工学特論(選択)

高品質なソフトウェアを効率的に開発する手法や技法について体系的に学習する。まず主要なソフトウェア開発プロセスとして規範的プロセスとアジャイルプロセスをとりあげる。続いて開発プロセスの理解を踏まえ、ソフトウェアライフサイクルの主要なアクティビティにおいて必要とされる基本的な知識について学習する。演習問題と外部講師による具体的な開発事例の紹介を通して理解を深める。以上の学習を通じて、ソフトウェア工学の重要な概念を体系的に把握し、ソフトウェア開発のリーダとしての素養を習得することを目指す。

フレームワーク開発特論(選択)

実用的なWebアプリケーション開発においては高度なフレームワークを活用することで求めるシステムを迅速に開発し、利用者に提供するためのスキルが求められる。本講義では、代表的なWebアプリケーションフレームワークとして、Ruby on Railsを題材に取り上げる。具体的には、このフレームワークを活用してSNS(Social Networking Service)を作りながら、Webアプリケーションの実践的な開発技術を学ぶ。

セキュアプログラミング特論(選択)

インターネットが日常生活や企業での業務等に欠かせない社会基盤となり、多数のソフトウェアがネットワーク経由で多くのユーザに利用されるようになった現在では、脆弱性を持つ情報システムに対する攻撃が年々深刻化している。本講義では、脆弱性を含まない安全なソフトウェアを開発するための技術及びノウハウを解説する。具体的には、C言語で開発されたソフトウェアについて、文字列操作、動的メモリ管理、ファイル入出力等にまつわる脆弱性の具体例を示し、静的解析ツール、動的解析ツール、アドレス空間設置のランダム化等を活用した脅威の緩和策を示す。

クラウドサーバ構築特論(選択)

本授業では、主にAmazon Web Servicesを活用したクラウド環境の構築についての知識及びスキルを修得することを目的とする。クラウド環境の構築には、クラウドの設計に関するノウハウである、クラウドデザインパターン(CDP)を利用する。クラウドを使ったシステム設計の典型的な問題とそれに対応する解決策・設計方法についてCDPを通して学修する。授業の進め方としては、まずクラウドに関する一般的な知識を修得する。その後、CDPを利用したクラウド環境の設計・構築方法についての講義をし、演習を交えることでクラウドの特徴を活かしたサーバ/インフラの構築方法を実践的に修得する。後半では、アプリケーションのクラウドへの配備を実施し、負荷分散や耐障害性の対策についてディスカッション行い意見を交換する。

情報セキュリティ特別講義2(選択)

本授業は、セキュリティ機能を考慮しソフトウエア・システム開発を行うための国際標準規格ISO/IEC15408をベースにした情報セキュリティ機能の実装および保証(セキュアシステムの設計手法)について、実践的な技術を修得する。ISO/IEC15408の歴史的な背景、フレームワークを理解すると同時に、日本におけるITセキュリティ評価及び認証制度について理解する。ISO/IEC15408は国際標準規格においては、専門用語を多用する。セキュアな設計は形式言語的な構造をもつ。このため、専門用語の理解を確実にし、実践力を身に着けるためケーススタディ中心の講義とする。また、小テスト実施(成績評価外)を毎講義行う。本授業は、1週間の中で都合の良い時間にWeb動画や事前配布教材を使った個人学習を行い、土曜の対面講義によってその学習内容を演習にて確認する「反転学習」コースである。事前学習が重要であることを十分に認識して講義に臨んで欲しい。

アジャイル開発手法特論(選択)

近年のビジネス環境の変化の早さは、重厚長大な長期計画を陳腐化させ、ビジネスモデルやプロジェクト計画の有効期間を縮める一方である。このような状況に対応する必要から、変化する要求に対応しながらビジネスに柔軟に沿うことで価値を生み出す、アジャイルソフトウェア開発手法が脚光を浴びている。また集合知や実践知という考え方から、学習し成長する自己組織的なチームによる効果的なソフトウェア開発が求められている。この授業では、アジャイル開発のコアとなるアジャイルなチーム、価値の高いソフトウェアプロダクト、継続的に価値を提供する手法について、アジャイル開発手法の一つであるスクラムを中心に学ぶ。

コラボレイティブ開発特論(選択)

ソフトウェア開発手法としてアジャイル開発に注目が集まっている。アジャイル開発を成立させるための要件は様々であるが、本授業ではチームによるソフトウェア開発をコラボレイティブに行うためのスキルセットに焦点をあてる。モダンなソフトウェア開発者は、クラウド技術や仮想環境といった高度な開発環境に精通しなくてはならない。その上で、開発チームが協調的にシステム構築を行う必要がある。グループワークを通してこれらの協同開発作業を円滑かつ迅速に行うための方法について学ぶ。

マネジメント系科目群

プロジェクトマネジメント特論1(選択)

プロジェクトマネジメントの基本を、プロジェクトマネジメントの国際標準ISO21500及びディファクトスタンダードであるPMI(Project Management Institute)の「PMBOKガイド®第5版」に基づいて学習する。学習にあたっては、PMBOK®ガイドで定義された知識体系を基本に実施するが、実務につながるように演習を取り入れ、実質的なプロジェクト計画やマネジメントの方法を理解する。体系化されたカリキュラムでプロジェクトマネジメント知識を網羅し、上位の講座である「システム開発プロジェクトマネジメント論」を学習するための基礎知識を得る。

プロジェクトマネジメント特論2(選択)

情報システム構築におけるプロジェクト管理の進め方を、情報処理推進機構が発行している「高度情報化人材育成標準カリキュラムプロジェクトマネージャ」を基準に学習する。授業では、体系化された情報システム構築プロジェクトのカリキュラムでプロジェクト管理の知識を網羅的に整理しながら、実務事例の紹介を多く取り入れて具体的なプロジェクト計画や管理の方法を指導する。また、演習などを通してプロジェクト管理の知識をどのように実務に適用するか考えていくことで、知識と実践力の橋渡しを実現することを方針とする。

プロジェクトマネジメント特論3(選択)

本講義は、情報システム開発プロジェクトにおいて主要なツールである、ファンクションポイント、WBSとスケジュール、アーンド・バリュー・マネジメント、品質管理に焦点を当て実務で活用できる実践的な能力を身に付ける講義である。講義は学ぶツール別に大きく4つに分かれており、それぞれのツールごとに講義と演習を交互に行いながら進める。具体的には、4つのツールの知識や実践方法を講義形式で学習し知識のまとめを行い、実際に実践する演習を行う。

プロジェクトマネジメント特別講義(選択)

プロジェクト管理の基本は、実行可能な計画を立てること、及びその計画に基づいてプロジェクトを実施することである。この講義は受講者がプロジェクトマネジャーとなって仮想のプロジェクトを体験する。プロジェクトはオンライン形式で実施されるが、プロジェクト管理の基本となる様々な管理指標の使用方法やプロジェクト実施中の試練が組み込まれており、実プロジェクトさながらの臨場感でプロジェクトの実施を体験できる。シミュレータを通して、プロジェクト実施中の管理項目の見方や、リスクや課題に対する対応方法を学ぶことで、受講者はプロジェクト計画の重要性と、プロジェクト実施中の適切な対応能力を身に付けることができる。

情報システム特論1(選択)

  • 企業内での情報システム部門の役割、情報システム部門に期待されていることを説明する。
  • 情報システム部門がサービスを提供するためにどのような業務プロセスが必要になるかを示し、ITサービスマネジメントとは何かを理解する。
  • ITサービスマネジメントの世界標準となったITILについて学修しシステムの運用管理への適用方法を考える。
  • ITサービスマネジメントを遂行する要員として身に付けなければならない基本的な考え方、発想法を学ぶ。

情報ビジネス特別講義2(選択)

これからは、IT従事者自らがビジネス戦略へ大きな影響力を持つべきである。近年では組織の戦略をマネジメントする手法としてバランスト・スコアカード(BSC)がブームとなっているが、そこでもIT投資マネジメントの話が論じられている。現在の企業環境を考えると、IT従事者とはいえ、組織の戦略マネジメントと関連づけて、会計情報をどう活用するかを習得しておく必要もある。本講義では、普段の業務では慣れない会計・財務というジャンルについて、マネジメントのための情報として捉えた活用方法について総論として学習することを方針とする。

情報セキュリティ特別講義1(選択)

本授業は、国際標準規格ISO/IEC27001をベースに、リスクマネジメント技法の修得、組織の情報セキュリティマネジメントISMS(Information Security Management System)体制を確立する方法論およびISMS適合性評価制度について実践的な観点から講義とケーススタディにより学習する。ケーススタディは、模擬的な会社組織において、セキュリティポリシーの設定から、リスク分析、管理策の適用などの手順を通じ実践的な作業を通じ修得する。マネジメント規格の中核的なアプローチであるPDCAモデル、ISMSを構築する上で中核的な作業であるリスクマネジメント手法を学ぶ。また、2013年に国際標準が改訂され27001:2014が発行された。旧版との相違を学ぶ。

情報システム学特別演習

情報システム学特別演習1・2(選択)

入学時に持ち合わせた知識に加え、1年次に修得した知識を応用して、企業や組織での実業務を実施できる高度IT人材を育成する。高度IT人材に期待されるコンピテンシーを、プロジェクト活動を通じて身に付ける。さらに前期のPBL活動で得た知識やプロジェクト実践力を反省し、次のステップへの改善を行う。

産業技術研究科科目群

国際経営特論(選択)

現在、アジア/アフリカ諸国を含む世界の大半の諸国は猛烈な勢いで経済成長を進めている。2015年12月31日にはAEC(ASEAN経済共同体)がスタートし、近年では日本政府の強いイニシアティブによりRCEPが発効し、またTPP(CPTPP)も拡大の機運を見せている。20世紀中は「落ちこぼれ」と呼ばれたサハラ以南のアフリカでも順調な経済成長が続いている(ここ四半世紀で一人当たりGDPを低下させた「器用な」国は、日本等ごくごく一部である。)。21世紀とは、世界全体が急成長する時代なのである。この新しい時代のことを、「第3新近代」と呼ぶ。2015年に国連総会が採択したSDGs(Sustainable Development Goals)では、端的に「Leave No One Behind」つまり、世界の全ての国/地域を経済成長させる、と言っている。 本講義は、このような変化の中で、受講者に、今日のアジア/アフリカにおける起業/ビジネス展開のために必要な知識、能力を付与するものである。

国際開発特論(選択)

国際開発、とは、発展途上国(一人当たりがおおむね14,000ドル未満の国)の経済発展を進めること、を指す。ご存知SDGs(Sustainable Development Goals)はその典型である。その中で、先進国(一人当たりGNIが概ね14,000ドル以上の国)が発展途上国に対して行う、各種の経済成長支援政策のことを、開発援助(経済協力)と呼ぶ。 開発援助論の講義は、本学のみならず、世界中の大学で行われている。それらと比べて本講義の特徴は、通常の大学で行われているオーセンティックな開発援助論に加えて、あと2つ、「ここでしか聴けない」内容を提供することである(一粒で3度...)。

テクニカル・ライティング特論(選択)

本講義では、論理的な文章を作成するための導入的知識と実践練習を提供する。 昨今、SNS等の広がりにより、だれでも自由に世の中に自身の考えや計画を発信することができるようになった。これは、人のつながりに関し、各段にこれを広げる手段となった。 その一方で、第三者による精査されないままの文章が許容される状況を生み、非論理的な文章の量産と、それらの野放し状態が問題視されている。 本講義では、物事をシステム思考に従って整理し、論理的な文章を作成する方法の修得を目指す。 その際、母国語の能力以上には、第二言語の能力は成長しないことに注目し、日本語の文章でそのほとんどを学習し、日本語と欧州の言語との違いを確認した上で、英語の作文方法につなげる。

DESIGN[RE]THINKING(選択)

In recent years design thinking has gained legitimacy and popularity as a process for developing design and businesses to solve problems. Design thinking typically shares fundamental principles: human-centred, empathizing, prototyping, and testing. Design thinking has proven itself valuable in fostering creative culture; all the while, it has also been vastly misinterpreted and evangelized as a quick-fix solution that anyone can apply to a so-called wicked problem. We dismiss its quick-fix capability to enable anyone to solve problems creatively as advertised. Instead, we investigate design thinking throughout the course while leaving space to reconsider and improve its principles critically.

グローバルコミュニケーション特論(選択)

本講義の目的は明確である。受講者に、国際場裡でこれから世界を相手に闘って、勝てるようになって欲しい。ビジネスでも、外交でも、政治でも、国際場裡で自国民が外国人に負けまくっている状態では国家の発展はない。そのため、国際場裡での闘いにおいて「勝てる」ようになるために必要な能力として、第1に、現下の国際情勢に関する鋭敏な理解力、第2に、今後の世界の動向を俯瞰する文明史的視座の理解力、第3にディベート能力、すなわち世界で外国のライバルを相手に議論で「勝つ」能力を付与する。

選択必修科目群

情報倫理(選択必修)

ものづくりアーキテクトは間違いのない意思決定をする必要がある。このような意思決定の際、技術倫理に関係する問題について判断できるようになるためには、倫理問題についての理解を深める必要がある。特に、事前に起こりうる問題を想定して、予めその回答を用意するトレーニングを通じて技術倫理に関係する問題解決能力を取得することを目標として授業を設計している。受講者には討論への参加、演習課題についてレポートの提出、自ら探した事例についてのプレゼンテーションを求める。

情報技術者倫理(選択必修)

この科目では、「何故、情報技術者に倫理観が必要なのか」といった問いかけから、情報技術者に関係する各種法令やガイドライン、ルール、マナー、エチケットが構成されてきたことを確認し、その重要性や社会的背景を考慮しながら、自らの業務にどのように適用させるべきかを考え、グループで検討する。また、この科目で検討していく内容は、システム開発者や情報化の推進者として様々なジレンマに直面することがあるが、これらの事象は、情報技術の発展が定着したビジネスルールと相反するものでもあり、どの様に解決すべきか、常に考えていく必要がある。

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