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講義内容紹介

情報アーキテクチャコース

1年次はプログラミングからマネジメントまで、IT関連領域の知識体系を広範にカバーする講義・演習から科目に よって、「情報アーキテクト」としての知識とスキルを修得します。

2年次は独自のメソッドを駆使したPBL型科目でのプロジェクト演習によって、1年次に修得した知識・スキルの 定着・活用経験と、「情報アーキテクト」としての業務遂行能力(コンピテンシー)を修得します。

講義内容紹介

科目群INDEX

  • IT系科目群
    ネットワークシステム特別講義、セキュアシステム管理運用特論、IoT開発特論、システムプログラミング特論、ネットワーク特論、オブジェクト指向プログラミング特論、システムソフトウェア特論、情報アーキテクチャ特論1、情報セキュリティ特論、OSS特論、データベース特論、データ分析特論、データ分析実践特論、クラウドインフラ構築特論、データマネジメント特論
  • エンタープライズ系科目群
    コミュニケーション技術特論、情報アーキテクチャ特論2、情報アーキテクチャ特論3、情報システム特論2、情報ビジネス特別講義1、情報ビジネス特別講義3、サービスサイエンス特論
  • システム開発系科目群
    ソフトウェア工学特論、フレームワーク開発特論、セキュアプログラミング特論、クラウドサーバ構築特論、情報セキュリティ特別講義2、アジャイル開発手法特論、コラボレイティブ開発特論
  • マネジメント系科目群
    プロジェクトマネジメント特論1、プロジェクトマネジメント特論2、プロジェクトマネジメント特論3、プロジェクトマネジメント特別講義、情報システム特論1、情報ビジネス特別講義2、情報セキュリティ特別講義1
  • 情報システム学特別演習
    情報システム学特別演習1・2
  • 産業技術研究科科目群
    国際経営特論、国際開発特論、グローバルコミュニケーション特論、DESIGN[RE]THINKING、産業技術特別講義1・2、情報アクセラレータ特論1・2、デジタル価値共創特論1・2、DXサステナビリティ特論1・2
  • 選択必修科目群
    技術倫理、情報技術者倫理

IT系科目群

  • ネットワークシステム特別講義
    本講義では、数名の学生から成るプロジェクトにより、小規模ネットワークシステムを実際に設計・構築しながら、ネットワークシステム構築プロセスの修得を目指す。実機を使って小規模システムを実際に構築しながら、汎用的なネットワーク構築プロセスを習得する。構築プロセスの修得を第一の目的とし、あらかじめ設定されたプロセスに沿って作業を行うことにより、ネットワークシステム構築プロジェクトを遂行する能力を身に付ける。また、設計、実装、テストなどの各工程を意識し、工程毎に要求品質を満足するアウトプット(ドキュメント)を提出する。なお、演習はサーバ演習室で行うが開催が不可能な場合はすべての授業を遠隔による授業に差し替えて実施する。
  • セキュアシステム管理運用特論
    情報セキュリティ上の脅威に対抗するためには、最新の情報セキュリティに関する情報を収集するとともに、平時におけるシステムの状況を把握できるようにする等、日常的な運用作業での取り組みが有効である。本講義では、情報システムに対する攻撃を想定したシステム運用や事案発生時の対処方法について事例をあげながら紹介する。また、情報セキュリティに関するテーマでグループワークを行い、調査方法や対策等の提案も含めてプレゼンテーション形式で報告していただく。
  • IoT開発特論
    大規模システムや基幹システムの開発分野と同様に、IoT(Internet of things)が注目されている。IoT を支えるセンサーデバイスの低価格化、小型化、軽量化、省電力化や、多様化に加え、関連するクラウドや人工知能の進化により様々な技術が使いやすくなっている。こうした背景から、スマートホーム、ロボットや、自動運転、教育や、介護などで IoT を使った様々なサービスが実現されている。本講義では、IoT や組込分野・各種ディバイスで用いられるソフトウェア及びハードウェア技術をプロトタイピングにより習得する。試作基盤を使い実際にセンサーを動作させることにより実践的なスキルの修得を目指す。
  • システムプログラミング特論
    プログラミングを効率的に行うには、プログラミング言語及び開発環境の理解が不可欠である。数百のプログラミング言語が存在し、得手不得手がある。単独の言語であらゆる問題に対峙することは難しい。言語次第で、問題の扱い自体が変わる。また、実用のプログラムを実装する際、実行効率及び開発効率を考慮する必要がある。当科目では、各種のプログラミング言語(スクリプト言語等)と開発環境に関する講義及び演習からプログラミング技術を修得する。さらに、実行効率の改善のために、データ構造、アルゴリズム、計算量を扱う。優れたデータ構造及びアルゴリズムは実行効率を劇的に改善することができる。開発効率の改善のために、システムコール及びライブラリを活用したAPIプログラミングを扱う。APIの活用は優れた先人のプログラミング成果の再利用に相当する。ライブラリの活用は実行効率及び移植効率にも効果がある。
  • ネットワーク特論
    我々の生活において、今やコンピュータネットワークは必要不可欠なものとなっており、様々なサービスの基盤として重要な役割を果たしている。本授業ではコンピュータネットワーク関連科目での学修に必要な基礎的知識の修得を主な目的として、コンピュータネットワークシステムの基礎について学ぶ。授業は講義と演習から構成されている。講義では、TCP/IPネットワークおよび分散システムの基礎を中心に学ぶ。演習では、ネットワークプログラミングによる課題作製などを通して基礎的知識の定着を図る。ネットワークアプリケーションは分散システムを構成するものであるため、分散システムの観点からコンピュータネットワークシステムを理解することで、知識を利用する応用力、授業終了後の継続的学修の指針の獲得を目指す。
  • オブジェクト指向プログラミング特論
    オブジェクト指向によるソフトウェア開発での基礎と実践力を育成する。オブジェクト指向言語に分類されるJavaは、サーバ・クラウド・デスクトップ等で稼働するソフトウェアを開発するために広く利用されているプログラミング言語である。そこで本講義の前半で、ここに至るオブジェクト指向に関しその本質を学ぶ。オブジェクト指向とは、拡張性や保守性の高いプログラムを書くために不可欠な考え方です。講義ではアクティブラーニングの手法を取り入れ、講義中に受講者自身で実際にプログラムを作成し、主体的・積極的に学ぶことで知識を定着させる。後半で、理解したアクティブラーニングとシステムへの展開方法を習得する。これにより実務でJavaを利用したプログラムを作成する応用力を身に付ける。本講義では、Java以外のプログラミング言語を少なくとも1つ修得している受講者を主な対象とし、Java言語によるプログラミングについての授業を行う。講義ではJava言語の中級程度の知識を簡潔にまとめる。
  • システムソフトウェア特論
    情報技術の革新的進歩により、PC、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイスなどの情報端末が普及し、ソフトウェア技術の工場によりその端末の違いや仕組みを詳しく理解せずとも利用できるようになっている。こうした背景には人とソフトウェア、ハードウェアの架け橋となるシステムソフトウェアの存在がある。システムソフトウェアを代表するOSの仕組みと特性を学ぶことは、コンピュータの利用者として作業の効率化が図れるだけでなく、情報技術者、情報サービス提供者を目指す上で大きな手助けとなる。本科目ではシステムソフトウェアの代表としてOS、特にその本流に当たるUnix互換性OSの仕組みと特性を理解することで、コンピュータを効率的に利用できるようになることを目的とする。また、技術を扱う科目として、座学に加えて多くの演習、自学自習を含む。授業は大きく基本操作、サーバ管理、開発の3篇に分かれる。基本操作では主にシェルを利用したコンピュータ操作について学ぶ。サーバ管理では、通信、ユーザ・プロセス管理、ハードウェアについて学ぶ。開発では共同開発に欠かせないバージョン管理システムや仮想環境について学ぶ。
  • 情報アーキテクチャ特論1
    情報アーキテクチャ領域の当カリキュラムでは、情報システム開発に関する各種の知識及びスキルを体系的に設計された科目で学ぶことができるが、各科目は大学院レベルの講義であるため、相当の知識を前提としている。修学にあたって、知識の土台がしっかりしていれば、高いレベルで授業の内容を理解できる。また、IT基礎知識の定着は、実際の情報システム開発でも不可欠である。当科目は、IT関連の基礎知識の整理及び定着を目的に、離散数学、システム構成、戦略、アーキテクチャ等の情報アーキテクチャ領域の基礎にあたる内容を学ぶ。
  • 情報セキュリティ特論
    情報セキュリティは、暗号(共通鍵、公開鍵、デジタル署名、PKI)からネットワーク(データセキュリティ、アプリケーションセキュリティ)、組織マネジメント(リスク分析、内部統制)、国際標準規格(ISMS、CC認証)、法と倫理まで広範囲に渡る学際分野に関わる。当科目は、情報セキュリティの機能である「機密性、完全性、可用性」の観点から情報セキュリティ技術の知識体系及び情報セキュリティでの情報倫理を学ぶ。
  • OSS特論
    Linuxカーネル、GNUソフトウェア、Apache HTTPサーバに代表されるオープンソースソフトウェア(OSS)は、インターネット基盤のサーバ類に広く普及していると同時に、2000年ごろまでの古いソフトウェア産業を根底から変革してきた。当科目は、(1)OSSの思想、背景、歴史、(2)OSSの定義、使用許諾契約、(3)OSSの開発体制(バザールスタイル)、(4)OSSの事例、(5)OSS関連の話題を扱う。
  • データベース特論
    今日の情報処理システムでは、扱うデータがより複雑かつ精密、膨大になる傾向が顕著であり、またデータ取得や更新の即時性などのユーザ要求も高まる一方である。そのため、データベースの理解が一層重要になっている。本科目では、データベース技術者が学ぶべきデータベースの基本知識の修得を目的とし、データベースの基礎としてリレーショナルデータモデル、論理設計、SQL、それらの背後にあるデータ格納方式、トランザクション、同時実行制御、障害回復について体系的に説明する。
  • データ分析特論
    現在、データ分析は幅広い分野で活用されており、その重要性はさらに高まっている。本講義では、データから有用な知識・価値を発掘するデータ分析技術として、推定統計によるデータ分析の基本となる機械学習技術について、体系的な説明を行う。特に機械学習技術として、動作原理に加えて、データセットの処理をとおした具体的な動作および得られる結果を理解することで、実際のデータ分析の基礎を習得することを目指す。
  • データ分析実践特論
    現在、インターネットの発展にともなう経済や社会のデジタル化によりデータの生成が爆発的に増大しており、インターネットから取得できるデータ分析の重要性はさらに高まっている。本講義では、インターネットから取得できる様々な形態のデータを対象としたデータ分析技術について、基本となる機械学習技術に基づいた処理について解説する。自然言語のテキストからの知識獲得技術、画像の分類や異常検知など、技術内容の提示だけでなく、データの収集方式とデータの処理方法について演習を交えた講義を行う。
  • クラウドインフラ構築特論
    近年、ネットワークで結ばれたサーバクラスターがコモディティ化すると同時に、そうしたハードウェア資源を、大量に効率よく、かつ高速に管理する手法が求められている。本手法の体現として、クラウドコンピューティングの文脈ではInfrastructure as a Service (IaaS)の考え方に注目が集まっている。本科目では、これをクラウドインフラと呼ぶ。ハードウェア資源をソフトウェアによって管理するその仕組みは、Web APIを備えた分散システムであり、ハードウェア資源全体を仮想化し、管理を自動化するものである。このIaaSを実現するソフトウェアの構造の理解、設計と活用の演習を通じて基礎を理解し、クラウドインフラを活用することができるようになるものである。
  • データマネジメント特論
    社会や産業のデジタル化が進む中で、データそのものの価値も重要視されるようになっている。データ定義やデータマネジメントのありようは、様々な産業における企業活動や、研究機関の研究活動を写している。本講義では、様々な業界の企業や研究機関のデータについて学ぶことで、企業活動や研究活動におけるいわばビジネスモデルに触れる。更に、ビジネスモデル企画会議(グループワーク)により、データマネジメントに関する理解を深めていく。

科目群INDEX

エンタープライズ系科目群

  • コミュニケーション技術特論
    現代のビジネスパーソンにとって、ロジカルシンキングは必須の能力である。業務に関係する文書を作成することはもちろん、プレゼンテーションなどの内容を構成するためにも必要である。本講義では、ビジネスパーソンにとって必要となる論理思考を、具体的なトレーニングを通して習得することを狙う。論理を整理して体系化するための論理思考を身に付けることを目指す。
  • 情報アーキテクチャ特論2
    企業活動には常に変化することが求められる。適切な変化を遂げられない企業は存続することはできない。環境変化及び市場や顧客のニーズに基づいて適切な活動を持続するために必要なソリューションを導くための活動がビジネスアナリシスである。IIBA(International Institute of Business Analysis TM)が策定した、世界で最も普及しているビジネスアナリシス体系であるBABOK ガイド(A Guide to the Business Analysis Body of Knowledge)に基づいたビジネスアナリスを理解するとともに、ビジネス・アナリストとしての基本スキルを身に付ける。
  • 情報アーキテクチャ特論3
    この授業では情報システムにおける「概念レベルのモデリング」について学ぶ。モデリングとは、情報システムのアーキテクチャを論理的・体系的に記述するための技術である。概念レベルのモデリングは、実装のための個別具体的な技術に依拠せず、システムの全体像を総合的に分析し、記述するものである。これは、情報システム開発における上流工程や、その前段階の、いわゆる超上流と呼ばれるビジネス領域まで幅広く適用できる技術である。この手法を身に付けるためには、モデル化対象領域の分析及び分析結果として得られる要素の総合、帰納的手法と演繹的手法の組み合わせ、抽象度や粒度の調整など、高度に知的な頭脳作業としての概念操作・概念構築の能力を涵養しなくてはならない。本授業では、まず、モデルを記述するための表記法について取り上げる。次に、具体的に情報システムのアーキテクチャを記述する演習を行う。これらを繰り返すことでモデリング能力の向上を図る。
  • 情報システム特論2
    将来、CXO、マネジメントとして自社のしごとの仕方を変えていこうする人、コンサルタントとしてのお客様(企業)にBPR(Business Process Reengineering)を提案しようとする人が必要とする思考方法、発想法、考え方スキルを学ぶことを目的とする。各分野での現状の問題に対する事業開発・事業改革の提案・設計を行う。ビジネス環境の変化に伴い、ステークホルダーのニーズを満たすために新しい事業(仕事)のやり方が必要になる。テクノロジー(IT)の進歩が破壊的技術として今までできなかったことを可能にしている。それを活用した変化しつつあるビジネス環境に合った新しい事業設計を行い、現在の仕事のやり方のどこを変えるべきかを特定する。変えるべきことをマネジメントに説得するための論理を構成する。特定のマネジメントを対象に説得を目的としたプレゼンテーションを行う。与えられた事例に対して、チームで検討し、結果をプレゼンテーションする。3つの事例を対象にする。1チームは3~5名で構成する。初回にチーム分けをするので履修者は必ず参加すること。初回のチーム分け完了以降での脱退(履修放棄)
    及び履修追加は認めない。 。
  • 情報ビジネス特別講義1
    本授業では、情報ア―キテクトにとって特に重要な法律であると考えられる、個人データ保護、プライバシ―、情報法、著作権法、会社法、金融商品取引法等の分野についての重要な基礎的知識について授業を行う。2003年に日本で成立した個人情報保護法は、2015年、2020年、2021年に大幅に改正された。2013年に成立した番号法には我が国で初めてPIA条項が設けられた。1995年から適用されたEUデ―タ保護指令(Data Protection Directive 95)に代わり2018年5月25日からEU「一般データ保護規則(General Data Protection Regulation: GDPR)が適用されている。これは欧州経済領域(European Economic
    Area:EEA 、EU加盟国28カ国、ノルウェ―、アイスランド、リヒテンシュタイン)と個人デ―タをやり取りする日本のほとんどの企業や機関・団体が適用対象となり、同規則への違反行為には高額の制裁金が科されるリスクもある。本授業では、国内外の最新の立法動向を注視しつつ、ケ―スをとりあげるなどして、参加型の授業を行い、授業参加者の法的考え方の醸成に取り組む。
  • 情報ビジネス特別講義3
    企業活動でのIT戦略及びマーケティングを効果的に活用していくマネジメント力が強く求められている。
    当科目では、IT戦略、マーケティング等を体系的、実践的に学び、どのようにマネジメントするかを理解する。具体的には、STP、4Pといった基本概念から始まり、競争戦略、商品開発、マーケティングリサーチ、マーケティングコミュニケーション等に触れていく。後半には、近年発達するデジタルマーケティングも考察する。特に実務での事例をベースに体系的に網羅された内容と演習によって、IT戦略、マーケティングのマネジメント(幹部)、IT担当役員(CIO)、事業担当役員、起業家としての役割を実践できる人材を養成する。
  • サービスサイエンス特論
    本講義では、人間の意思決定の不合理性、消費者の行動、産業心理学などの知見と研究事例からその特徴を明らかにする。サービス提供者が満足するのではなく、顧客が満足する姿を目標としたサービスや市場がのぞまれる。そこで、本講義においては、近年注目を集めているサービスと消費者行動、サービスサイエンス、サービスエコノミクス、サービスマーケティング、サービスマネジメントについて扱う。さらに、サービスプロフィットチェーンなどの従業員のモチベーション向上とカスタマーロイヤルティのサイクル、顧客経験と市場の理解についても論じる。また、これらをもとにして演習を個人・グループベースで行う。

科目群INDEX

システム開発系科目群

  • ソフトウェア工学特論
    高品質なソフトウェアを効率的に開発する手法や技法について体系的に学習する。まず主要なソフトウェア開発プロセスとして規範的プロセスとアジャイルプロセスをとりあげる。続いて開発プロセスの理解を踏まえ、ソフトウェアライフサイクルの主要なアクティビティにおいて必要とされる基本的な知識について学習する。主要な項目についてグループで議論を行うことで、理解を深める。以上の学習を通じて、ソフトウェア工学の重要な概念を体系的に把握し、ソフトウェア開発のリーダとしての素養を習得することを目指す。
  • フレームワーク開発特論
    実用的な Webアプリケーション開発においては、利用者が求めるシステムを探索的に学び、迅速に開発することが求められます。素早く開発する方法の1つにフレームワークを使った開発がありますが、本講義では、日本や⽶国の上場企業などで多くの経済的価値を出しているWebアプリケーションフレームワーク「Ruby on Rails」を用いて、 SNS (Social Networking Service) を作りながら、次項「目的・狙い」に挙げるプロダクト開発の基本的なスキルを習得していきます。
  • セキュアプログラミング特論
    インターネットが日常生活や企業での業務等に欠かせない社会基盤となり、多数のソフトウェアがネットワーク経由で多くのユーザに利用されるようになった現在では、脆弱性を持つ情報システムに対する攻撃が年々深刻化している。本講義では、脆弱性を含まない安全なソフトウェアを開発するための技術及びノウハウを解説する。具体的には、C言語で開発されたソフトウェアについて、文字列操作、動的メモリ管理、ファイル入出力等にまつわる脆弱性の具体例を示し、静的解析ツール、動的解析ツール、アドレス空間配置のランダム化等を活用した脅威の緩和策を示す。
  • クラウドサーバ構築特論
    本授業では、Amazon Web Services (AWS) を活用したクラウドサーバ構築のための知識及びスキルを修得することを目的とする。クラウドを使ったシステム設計の典型的な問題とそれに対応する解決策・設計方法について、AWSサービスを使った演習を通して学修する。授業の進め方として、まずクラウドに関する一般的な知識や基本的なAWSサービスを修得し、クラウド環境の設計・構築方法についての概要を講義する。また、負荷分散や耐障害性の対策などクラウドの特徴を活かしたサーバ/インフラの構築方法の演習も行う。後半では、グループに分かれグループごとにテーマを設定しAWSサービスによる解決を目指す。
  • 情報セキュリティ特別講義2
    当科目は、セキュリティ機能を考慮したソフトウェア及びシステム開発を行うための国際標準規格ISO/IEC15408を基本とした情報セキュリティ機能の実装及び保証(セキュアシステムの設計手法)に関する実践技術を修得する。また、ISO/IEC15408の歴史的背景及びフレームワーク(制度)、ITセキュリティ評価及び認証制度も理解する。セキュアシステムの設計は形式言語の構造を持ち、国際標準規格ISO/IEC15408は専門用語を多用するため、専門用語の理解をし、実践技術を修得するため、ケーススタディ型の授業とする。
  • アジャイル開発手法特論
    近年のビジネス環境の変化の早さは、重厚長大な長期計画を陳腐化させ、ビジネスモデルやプロジェクト計画の有効期間を縮める一方である。このような状況に対応する必要から、変化する要求に対応しながらビジネスに柔軟に沿うことで価値を生み出す、アジャイルソフトウェア開発手法が脚光を浴びている。また集合知や実践知という考え方から、学習し成長する自己組織的なチームによる効果的なソフトウェア開発が求められている。この授業では、アジャイル開発のコアとなるアジャイルなチーム、価値の高いソフトウェアプロダクト、継続的に価値を提供する手法について、アジャイル開発手法の一つであるスクラムを中心に学ぶ。
  • コラボレイティブ開発特論
    本授業ではチームによるソフトウェア開発をコラボレイティブに行うためのスキルセットに焦点をあてる。チームでの演習として「mini-PBL」を実施し、ソフトウエアの協同開発作業を円滑かつ迅速に行うための方法について学ぶ。ソフトウェア開発手法として注目されるアジャイル開発手法を参考に、開発プロジェクトを行う。加えて、モダンなソフトウェア開発者は、クラウド技術や仮想環境といった高度な開発環境に精通しなくてはならない。開発チームが協調的・自律的に振る舞うために必要となる方法論を体験的に学習する。リモート環境での協同開発を実施し、知見を深める。

科目群INDEX

マネジメント系科目群

  • プロジェクトマネジメント特論1
    当科目では、プロジェクトマネジメントの国際標準ISO21500、PMBOK ガイド (第 6 版まで) に基づいて、プロジェクトマネジメントの基本を学ぶ。関連する演習によって、プロジェクトマネジメントの基本知識や手法等を習得する。
  • プロジェクトマネジメント特論2
    当科目では、大規模アジャイルのマネジメントについて、Scaled Agileカテゴリーで世界シェアNo1フレームワークのSAFe® (Scaled Agile Framework)の事例をもとに具体的な手法について習得する。
  • プロジェクトマネジメント特論3
    当科目では、プロジェクトマネジメントに適用できるコンフリクトマネジメント、リーダーシップ、動機づけ、コミュニケーション等の人間関係スキル、及びワークブレークダウンストラクチャ(WBS)、品質管理、見積もり手法等について、講義と演習を通して学習する。
  • プロジェクトマネジメント特別講義
    当科目では、シミュレータを使って、実際のプロジェクトに近い臨場感で、プロジェクト計画から実践までをプロジェクト・マネジャーの立場で疑似体験する。それによって、プロジェクトマネジメントの重要性、プロジェクト・マネジャーの役割、問題発生時の判断のポイントについて学習する。
  • 情報システム特論1
    ITサービスマネジメントは、ビジネス部門が必要とする適切なITサービスを安定的に提供するための管理活動全般を指すものである。ビジネスが多様化する中で、IT部門には、従来のシステムの開発・構築・運用という役割だけではなく、IT部門の視点からビジネスを理解しそのビジネスの発展に貢献することが求められている。この背景を受け、ITサービスマネジメントの視点が欠かせなくなっている。これを実現する方法として、ITILやDevOpsが注目されている。本講義では、ITILなどのサービスマネジメント手法や、DevOpsのような考え方をシステムエンジニアリングの国際的な標準をもとに解説するとともに、システムの総合信頼性や安全性といったサービス継続に不可欠な性質及び、その確認手法についての近年の動向を学修する。
  • 情報ビジネス特別講義2
    現在の企業環境を考えると、IT従事者こそ、組織の戦略マネジメントと関連づけて、会計情報をどう活用するか、組織制度をどのように構築するかといったセンスを身につけておく必要がある。そうすることによって、IT従事者自らがビジネス戦略へ大きな影響力を持つべきである。本講義では、組織の戦略をマネジメントする手法として、管理会計の手法を概観することによって、経営戦略の実行システムの構築やインタンジブルズ(無形の資産)のマネジメントについて学ぶ。
  • 情報セキュリティ特別講義1
    当科目は、国際標準規格ISO/IEC 27001を基本に、リスクマネジメント技法の修得、組織での情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS: Information Security Management System)体制を確立する手法、ISMS適合性評価制度を講義とケーススタディから実践的に学ぶ。ケーススタディでは、会社組織でのセキュリティポリシーの設定から、リスク分析、管理策の適用等の手順を実際に行う。また、マネジメント規格の中核アプローチであるPDCAモデル、ISMSを構築する上で中核作業であるリスクマネジメント手法を学ぶ。

科目群INDEX

情報システム学特別演習

  • 情報システム学特別演習1・2
    ・PBL(Project Based Learning)は、数名の学生がチームとなり、1年かけてプロジェクトに取り組む中で、実社会で真に役立つコンピテンシー(業務遂行能力)を獲得するプログラムです。イノベーションに重要な問題発見力や問題提起力、問題解決力などを身につけた人材を育成するために有効な教育手法です。
    ・PBL 型教育とは、実社会で即戦力として活躍できる人材を育成するために有効な教育手法であり、数名の学生が、明確な目標を掲げ、できるだけ実際の業務の内容に近い 1つのプロジェクトを完成させていくプロセスの中で、実社会で真に役立つスキルやノウハウを修得していくというものです。
    ・情報システム学特別演習1は教員指導によるプロジェクトを実行する。各プロジェクトはPBL型であり、学生が主体的に活動することで、コンピテンシー(業務遂行能力)を修得する。各プロジェクトの内容は、別途配布する「PBLプロジェクト説明書」を参照のこと。。

科目群INDEX

産業技術研究科科目群

  • 国際経営特論
    本講義は受講者に、今日のアジア/アフリカにおける起業/ビジネス展開のために必要な知識、能力を付与するものである。特に、ライバルが少ないニッチ的なアジア/アフリカ諸国の事情を紹介し、受講者が有利な条件で起業する機会を付与する。起業/ビジネス展開に関する他の講義と比べると、本講義は次の明確な特徴がある。第1は、ビジネスを行う場が日本国内ではなく、アジア/アフリカを前提としている。第2は、起業のための具体的な手法として、特にファイナンス面に重点を置くことである。本講義では、特に開発ファイナンス(Developmental Finance)という手法について集中的に見ていく
  • 国際開発特論
    この講義は、学習者が、今日の発展途上国の発展問題についての理解を深め、開発援助の手法についての実務的な能力を身に付け、さらには具体的な開発援助プロジェクトを企画立案できる能力を獲得することを目的とする。具体的には、学習者はこの授業を通じて以下の知識や・能力を習得できる。
    1. 開発援助の基礎的概念と、新古典派経済成長理論に基づく通常の開発経済学上の基礎を理解する
    2. 国際関係論等新たな視点に基づく開発援助の捉え方を理解し、具体的な開発援助プロジェクトに関する実務的な企画立案能力を獲得する
    3. さらに、開発援助のファイナンス面についての実務的知識を獲得し、開発援助を開発ファイナンスという特殊な「カネの流れ」として理解し、ビジネス機会を捉える能力を獲得する
  • グローバルコミュニケーション特論
    本講義の目的は明確である。受講者に、国際場裡でこれから世界を相手に闘って、勝てるようになって欲しい。ビジネスでも、外交でも、政治でも、国際場裡で自国民が外国人に負けまくっている状態では国家の発展はない。そのため、国際場裡での闘いにおいて「勝てる」ようになるために必要な能力として、第1に、現下の国際情勢に関する鋭敏な理解力、第2に、今後の世界の動向を俯瞰する文明史的視座の理解力、第3にディベート能力、すなわち世界で外国のライバルを相手に議論で「勝つ」能力を付与する。
  • DESIGN[RE]THINKING
    デザイン思考とはなにか最低限の学習を行い、その可能性と限界について考える授業としたい。デザイン思考はデザイナーがデザインする時に行うプロセスを単純化した方法論として生み出された。デザイン思考はだれもが簡易にデザインを再現できる方法論として優れているが、これだけで優れたデザインができ得るわけではない。複雑化された社会の中で、優れたデザインを生み出せば問題が解決できるわけでもない。デザイン思考の異種としてアート思考が生まれて近年賑わっているが、アート思考で可能なことも限られている。その批判としてまた新たな思考法が取り沙汰されるが、そもそも思考だけではない実践の中に知があるという立場がある。デザイナーとアーティストは思考法の存在そのものを否定している。
    本科目の前半は、デザイン思考/アート思考はどのような概念・手順で考えることができるか各自で自ら思考し、実践することで学ぶ。後半はデザイン思考/アート思考の可能性と限界に自覚的に考え、新たな思考法と実践を自ら考える機会を与えたい。参加者は思考と実践の形として、授業で課される宿題と最終レポートを通して検討を深めてほしい。
  • 産業技術特別講義1
    すべての情報システムにおけるインターフェースは、問題を解決するため、または私たちの生活をより良く、より簡単に、より成功させるために設計されている。私達は身近にあるPCやスマートフォンなどの様々な端末を通して、その設計者の意図とデザインを毎日体験しており、ボタン、ジェスチャー、フォントの選択、配色など、すべてUI/UXデザイナーによって設計された実例を観察すると、そこには原理と原則があることがわかる。本稿講義では、UIとUXデザインを実例ベースで紹介し、原理原則を理解した上で、自身の制作に取り入れられるような実践的な講義を指向する。
  • 産業技術特別講義2
    当科目は大規模言語モデル(LLM)の理論と基本的な実装方法を扱うLLMは産業社会に大きな進歩をもたらし、幅広い業種で活用されている。一般的な質問応答タスクにとどまらず、多様な目的で用いられる。テキスト分析や既存データの可用性改善、システム制御用コンポーネント用途としても利用される。LLMは高度な指示追従能力により柔軟な対応能力をシステムに付加する。それにより提供可能なサービスの幅を広げる意義を持つ。当科目ではLLMについて体系的に理解できるよう説明する。LLMをプロダクト開発に応用するための実用的な手法に重点をおく。プログラミング演習ではPythonを使う。
  • 情報アクセラレータ特論1
    本講義では、情報技術を活用して起業・創業に必要な基本的知識と技術を学ぶ。デザイン思考やカスタマージャーニーといった手法を通じて、顧客のニーズを的確に把握し、ユーザー中心の発想法を養う。さらに、ノーコード・ローコードツールを活用し、簡易的なプロトタイプを作成することで、アイデアを素早く形にするスキルを体験的に習得する。情報技術を取り入れることで、起業プロセスの効率化を図り、迅速な仮説検証を実現することを目指す。また、グループ演習やフィードバックを通じて、新たな視点を発見しながら、自らの可能性を広げるきっかけを提供する。起業に興味がある初心者や基礎を固めたい者に最適な内容である。
  • 情報アクセラレータ特論2
    本講義では、「情報アクセラレータ特論1」で習得した情報技術や生成AI、データ分析、DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する知識を活用し、新規事業創出や起業に必要な実践的スキルを習得する。ノーコード・ローコードツールを用いたプロトタイプ作成、仮説検証、ユーザーテストや市場調査を通じて、アイデアを迅速に形にし、市場適合性を検証する。また、VC(ベンチャーキャピタル)へのピッチを模擬体験し、効果的な提案スキルを磨く。グループワークを中心に進行し、教員のフィードバックを活かしながら、最終的に事業計画とプロトタイプの完成を目指す。
  • デジタル価値共創特論1
    • 本講義はデジタル時代における「価値創造の方法論」を教授するものであり、大きく「講義」と「チーム演習課題」のパートによって構成される。
    • 主な内容は「共創」の概念を整理し、「創造性」「価値創造」を定義し、デジタル手法を身につける上で忘れてはならない「感性と身体性」「直感と理論」といった対の概念の知識を身につける。
    • 未来の価値創造に必要な「未来想定」から「提供価値の企画立案」までのプロセスを紹介し、それを参考にチームワーキングによる提供価値を共創でデザインする。
    • チームワーキングテーマ:「担当教員と考える東京のタマシマの未来」
      10年先くらいの東京の「多摩」「島」地域の未来を想定し、そこに生活する人に「喜び」「幸せ」を与える「価値」を創造する。
  • デジタル価値共創特論2
    • 本講義は、デジタルかつグローバル時代における「多様な価値協調論」を教授するものであり、大きく「講義」と「チーム演習課題」のパートによって構成される。
    • 本講義は様々なクライアントと共にクリエイティブ活動を行ってきた人や外国人として外国でクリエイティブ活動を行ってき た人の具体的な経験を通し、多様的価値の意味と有用性の理解を深め自分形の考えを構築する。
    • 未来の価値創造に必要な「未来想定」から「提供価値の企画立案」までのプロセスを紹介し、それを参考に後半は様々な 経験を持つメンバーとのチームワーキングにより提供価値を創出する。
    • チームワーキングテーマ:「担当教員と考える東京のタマシマの未来」
      10年先くらいの東京の「多摩」「島」地域の未来を想定し、そこに生活する人に喜び」「幸せ」を与える「価値」を創造する。
  • DXサステナビリティ特論1
    複雑さ・不確実さを増す事業環境下、既存事業の延長のみで企業収益や企業価値の継続が将来共に約束されるとは考え難い。大量の賃貸資産等を有する大手不動産会社といえども例外ではなく、既存事業の進化・拡張や新事業の創出により持続的成長を図る必要がある。不動産開発事業を題材に、顧客の課題やサステナビリティなどの社会課題と自社の強みを組み合わせ事業の進化や創発をする事例の、考察や分析をおこなう。「不確実性から始まる」ともいわれる不動産開発事業は、流動的で途中は上手くいかないことも多く、リスク(振れ幅)と曖昧さに対峙しなければならない起業家の世界に通ずる。市場の選択、事業計画、製品・設計、生産管理、販売、管理・運営など一連の事業プロセスでの意思決定を支える価値観と、事業をマネジメントする手法や心構えを学ぶ。
  • DXサステナビリティ特論2
    競合他社のものに比べ付加価値の高い商品やサービスを提供する「差別化」は、事業の収益性を高めるだけでなく、新規事業を展開する上でも有用な戦略である。顧客や社会にとって意味のある課題の発見と解決のために、技術やサービスの実証・実装・商品化を行う活動と、それを支える人材や社内外連携などについて、実例の考察と分析を通して学ぶ。サステナビリティの取り組みと企業価値向上の両立や、現在進められているDX化の活用についても考察する。

科目群INDEX

選択必修科目群

  • 技術倫理
    ものづくりアーキテクトは間違いのない意思決定をする必要がある。このような意思決定の際、技術倫理に関係する問題について判断できるようになるためには、倫理問題についての理解を深める必要がある。特に、事前に起こりうる問題を想定して、予めその回答を用意するトレーニングを通じて技術倫理に関係する問題解決能力を取得することを目標として授業を設計している。受講者には討論への参加、演習課題についてレポートの提出、自ら探した事例についてのプレゼンテーションを求める。
  • 情報技術者倫理
    生成AIやネット技術が高度化する中、この科目では、「何故、情報技術者に倫理観が必要なのか」といった問いかけから、情報技術者に関係する各種法令やガイドライン、ルール、マナー、エチケットが構成されてきたことを確認し、その重要性や社会的背景を考慮しながら、自らの業務にどのように適用させるべきかを考え、グループで検討する。また、この科目で検討していく内容は、システム開発者や情報化の推進者として様々なジレンマに直面することがあるが、これらの事象は、情報技術の発展が定着したビジネスルールと相反するものがあり、どの様に解決すべきか、常に倫理的に考えていく必要がある。講義の進め方は、1週間の中で都合の良い時間にWeb教材による事前学習を行い、大学院でのハイフレックス・オンタイムによるとグループディスカッションによって考えを深化させ、その成果を導く「ブレンデッド・ラーニング」とする。

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