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学び直しながら>起業
理念・ビジョンを確立し入学1年後に起業を実現

中川 達生さんの画像

創造技術専攻 2016年修了
神戸大学出身

株式会社 ROX 代表取締役 中川 達生さん

将来の起業を想定し技術を学び直すために入学

 テクノロジーを核とした会社の起業を念頭に置き、AIITに入学しました。

 機械メーカーのエンジニアとして社会でのキャリアをスタートさせたものの、総合商社に転職後は海外事業の営業職に従事したため、その間約8年のブランクを埋め、テクノロジーの最先端をキャッチアップするためです。

 入学は2014年10月。その年の暮れに会社を退職しました。当初はAIIT修了後に会社設立の予定でしたが、入学からちょうど1年後の2015年10月に株式会社テクニコルを設立します。私の想定を早めて、起業の夢を実現することができました。

授業やPBLを通じ基礎技術を習得

 現在は株式会社ROXと改称し、事業を発展継続させています。

 ROXは、ビッグデータの解析、AIの開発やAIに関する研修サービスの提供、およびメンタルヘルスサービスを主な事業としています。

 特にAI開発では、需要予測アプリケーション「AI-Hawk-」が人気を得ています。「明日は店舗に何人お客が来るだろう?」「この商品は来週何個売れるだろう?」といった悩みを解決するお役に立てるアプリです。

 店舗を構える経営者や店長はこういった“予測”にまつわる悩みを常に抱えています。これまでは勘や経験に頼るしかなかった客数や販売数の予測をAIが行い、店長の作業負荷を軽減して、労働時間を短縮します。飲食店では来店客数予測によりスタッフのシフト作成を合理化し、人件費削減になったとの成果も出ています。適用範囲は飲食に限らず、ある法人では弊社AIによってスタッフの残業時間を平均10時間減らすことができたそうです。このような成果により、最近では大手のファミリーレストランやベーカリー、生菓子を扱う店舗などで特に利用者を増やしています。

 ROXで展開する技術の基礎は、AIITの授業やPBL活動で培われた部分も大きいです。想定よりも早い起業を実現できたのは、PBLでの私の役割がデータ解析であったこともあるでしょう。PBL活動が私の技術力向上につながったといえます。また、PBLや授業で経験豊富な先生方と議論を交わしたことにより、気づけば高いレベルの実践的な技術を身につけていたように思います。さらに国内外での論文発表を積極的に行ったことも、技術レベルの向上になりました。

起業後も継続する教授と仲間とのつながり

 公立の大学院には珍しい組織であるAIIT社長会には、入学直後に入会しました。この集まりで会社を経営する先輩方や同年代の経営者と接する中で、貴重なアドバイスをいただいたり、情報交換をしたりできました。

 経営者は孤独といわれますが、AIITの同級生とフラットな関係を築けた私は、そのような感覚とは無縁です。修了後も、先生方やPBLの仲間とのつながりは続いており、互いに悩みを気軽に話せますし、社長会のつながりで実現した仕事もあるなど、有形無形にさまざまなものを得ています。AIITでの出会いは貴重な財産であるとともに、現在進行形の経営資産といえます。

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