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ものづくりの知識を全て更新し高齢者向けのシステム開発に挑む

ゴンルイ

ゴン ルイさん
創造技術コース
2019年修了
目白大学 専任講師
Qiqihar University(チチハル大学/中国)出身

学生時代の夢を持ち続け中国、ドイツ、そして日本へ

中国での学生時代とドイツの企業に勤務していた期間を通して、生体への関心は持ち続けていました。私が目指したのは、加齢に伴う臓器や生理の機能低下を、工学的にアプローチして補うこと。先進国の中でも高齢化が著しい日本は、私が取り組みたい研究開発に最良の場所でした。

夢を実現するため、退職して日本へ。来日した時点では全く使えなかった日本語は、日本語学校で2年間学び、日常生活は困らないようになりました。とはいえ今でも、音訓読みがある漢字の使い分けやカタカナ書きされた科学用語には手こずっています。

理論と実践を同時に学べるカリキュラムに惹かれて

AIITへの進学は、ものづくりを学ぶため。講義と演習、そこで身につけた理論と実践力を応用して現実の課題解決を図るPBLを組み合わせたカリキュラムによって、創造スキルや製品開発の実際を修得しようと考えました。特に3DデザインとIoTデバイスの開発、データ分析に関する科目には力を注ぎました。今ではよく目にするようになったデータサイエンスを入学時に明示していたのは、私が知る限りAIITだけだったと思います。

そうした先進性に惹かれましたし、各分野で豊かな実績を持つ教員と身近に接することができ、様々な工作加工機械を備えたAIITの環境を使い尽くそうと必死でした。私が開発したい、高齢者の健康状態をリアルタイムに検知するデバイスシステムには、それらの知識と技術が不可欠だったのです。

AIITでの学びを基盤に大学の講義を担当

PBLの課題は、IoTを利用した新規なシステム開発でした。そこで私は、高齢者の自立を支援するサービスの開発を提案。同級生の同意を得てチーム全体のテーマとし、私は高齢者の脱水症状を本人や第三者に知らせるシステムの開発に挑みました。

高齢者に装着してもらうウェアラブルなデバイス製作では、1年次に学んだセンシング技術や3Dデザイン、そして「夢工房」に設置された3Dプリンタが大活躍。デバイスが発信するデータの分析については、PBLで一緒に学んだ同級生から有用なアドバイスをもらいました。学生も教授も、実業界でものづくりやデータ分析の実績を持っていました。実社会の経験者が周囲にいるのは心強く、その点が一般的な大学の研究室とAIITのPBLとの違いであることを実感しました。

高齢者を対象とした健康支援システムの研究開発は修了後も継続しており、客員研究員としてAIITにも頻繁に足を運んでいます。入学時は不案内だったデータサイエンスについては、籍を置く大学で講義を持つまでになりました。そこではAIITで学んだように、知識と実践的スキルを常に組み合わせて学生に伝えています。

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