文部科学省 成長分野を支える情報技術人材の育成拠点の形成
高度IT人材を育成する産学協働の実践教育ネットワーク「enPiT」
本学はビジネスシステムデザイン分野の実学を展開
- enPiT(エンピット)は日本国内の40以上の大学と産業界が連携して実践的な人材育成を推進する教育ネットワークです。
- enPiTでは社会的要請が強い4つの分野(ビッグデータ・AI分野、セキュリティ分野、組込みシステム分野、ビジネスシステムデザイン分野)において課題解決型学習(PBL)などの実践的な情報教育を学部生・高専生に対して推進・普及します。
- 東京都立産業技術大学院大学は、筑波大学・公立はこだて未来大学などとともに、ビジネスシステムデザイン(BizSysD)分野を担当します。
- 本学では社会人が学ぶ専門職大学院としての特徴を生かしたカリキュラムを展開。進化を続ける先端情報技術や情報インフラを有機的に活用し、潜在的なビジネスニーズや社会ニーズに対する実践的問題解決ができる人材の育成を目指します。
- 2021.2.12【新着】2021年2月22日(月) enPiT BizSysD分野ワークショップ2020を開催します。
- 2021.1.22「第9回enPiTシンポジウム」が終了しました。
- 2021.1.18 2021年1月21日(木)「第9回enPiTシンポジウム」を開催します。
- 2020.12.19「東京都立産業技術大学院大学・琉球大学 enPiT2 成果発表会 2020」が終了しました。
- 2020.12.7「東京都立産業技術大学院大学・琉球大学 enPiT2 成果発表会 2020」開催します。
- 2020.9.11 PBL基礎「アジャイルチームキャンプ」を終了しました。
- 2020.9.9 PBL基礎「アジャイルチームキャンプ」をオンラインにて開催します。
- 2020.6.30 enPiTプログラム 2020年度の募集を締め切りました。
- 2020.6.4 enPiTプログラム 2020年度受講者を募集中です。(対象者:学部3~4年生・高専本科4~5年生・高専専攻科1~2年生/応募締切:6月30日)
- 2019.10.31「産業技術大学院大学・琉球大学 enPiT2 成果発表会 2019」開催のお知らせ
enPiT-BizSysD
enPiTビジネスシステムデザイン分野(通称:BizSysD)は、社会やビジネスニーズに対する実用的なソリューションとしてのビジネスアプリケーションやシステムデザインを自ら提案、開発し、顧客の潜在的要求を満たすことのできる人材育成を目指します。第1期enPiTビジネスアプリケーション分野における教育実績をもとに学部3、4年生を主な対象としたPBL教育を実施することにより、真のビジネスニーズを引き出すとともにICTを柔軟に活かし、IoTをはじめとする各種先進システムに対する要素技術に基づいて実用的なソリューションを提供できるイノベーティブな人材を育成します。
プログラム概要
enPiTプログラムの学びは、基礎知識学習、PBL基礎、発展学習で構成されます。
7月~8月の基礎知識学習でPBL基礎の受講に必要となる知識を学び、8月~9月のPBL基礎にてチームを結成し、PBLによる学びを体感します。
その後、10月~12月の発展学習では自己組織的にチームを運営しプロダクト(ビジネスアプリケーション)の完成を目指します。
- 4月~6月 受講者募集・選考
- 7月~8月 基礎知識学習: 開発技法やプロジェクト推進など問題解決に必要な基礎知識を修得します。
- 8月~9月 PBL基礎: 一週間の短期集中合宿を通じて、社会または顧客が潜在的に抱えている問題を発見し、実践的に価値創造力や問題解決力を磨きます。
-
9月
受講審査: 発展学習の前提となるPBL基礎の修得状況について審査します。
審査を通過した人のみ、発展学習に進むことができます。 - 10月~12月 発展学習:定期的な開発システムのレビューと改善の反復経験による品質確保を意識したプロジェクトマネジメントを実践します。
- 12月末 成果発表会: 発展学習で開発したアプリケーションについて、チームごとにプレゼンテーションとデモ発表を行います。
- 3月 修了
新たなソリューションやサービスを創出できる人材へ
このプログラムで学ぶことで、先端的な情報技術に関する知識、世の中のニーズを捉える能力、実践的な問題を解決する能力が養えます。このプログラムでの学習を踏まえて、さらに講義、実習、研究活動を通して、知識や能力に磨きを掛けることで、潜在的なビジネスニーズや社会ニーズに対する実践的問題解決ができる人材を目指せます。
修了要件
以下の条件を満たしていることをenPiTプログラムの修了要件とします。
プログラム修了者には、修了証を交付します。
- 基礎知識学習科目・PBL基礎科目・発展学習科目を修得していること。
- 成果発表会に参加し、成果発表を行っていること。
カリキュラム
産技大enPiTカリキュラムの特徴
アジャイル開発はソフトウェア開発の方法として近年注目されている手法です。
しかしながらその本質はチームによるものづくり活動の「アジリティ」を高めることにあります。
産技大enPiTプログラムではアジャイル開発方法論「スクラム」を中心にアジャイル開発の本質理解と実践力の獲得を目指します。
チームの自己組織化や継続的な改善を行うための方法を学び、チーム開発の生産性向上と創造的なものづくりの方法を修得します。
チームによるソフトウェア開発を円滑に行うための各種のモダンな道具についても理解します。
基礎知識学習
科目名:「アジャイル開発概論」
実施時期:7月~8月
実施場所:オンライン上での受講
内容:ビデオ教材の視聴を通してアジャイル開発の歴史的背景、チームづくり、
スクラムの手法を学びます。
アジャイル開発概論.pdf
PBL基礎
科目名:「アジャイルチームキャンプ」
実施時期:8月~9月
実施場所:受講生に別途周知
内容:5日間の合宿を通して、チームとしてのアジリティ向上と、コラボレイティブ開発のための技術取得を行います。
※一定の条件を満たした受講生には交通費・宿泊費の補助があります。
アジャイルチームキャンプ.pdf
発展学習
科目名:「ビジネスシステムデザイン実習」
実施時期:10月~12月
実施場所:東京都立産業技術大学院大学 または 受講生の所属校 または Web開催
内容:ビジネスアプリケーションのチーム開発を分散PBL形式で実施します。
アジャイル開発の知見を活用し、アプリケーション開発の実践力を向上させます。
アプリケーションのデモとレビューを繰り返し、チーム開発を上手に行う方法を身につけます。
ビジネスシステムデザイン実習.pdf
過去の成果
過去実施年度のポスター
2018年度 修了生の声
enPiTプログラムを受講した感想
プログラミングなどの知識を知識として持つだけでなく、業務・プロダクトとして生かしていくためにはどうしていけばいいのかを考えながら学習をするきっかけになりました。学んだ技術をチームメンバーと共有しながらプロダクトに生かしていくことでチームとしての成長もすることができました。
また、普段所属している学校外のメンバーとのコミュニケーション、開発をすることができたことで、プロダクトに求めるものなどの自分以外からの視点でのものごとの見方を広くすることができました。
enPiTプログラムを受講して修得(経験)した事、また苦労した事
ソフトウェア開発に必要な知識を講義と演習を通して深く学ぶことができました。演習前に講義を通して学んだアジャイル開発の進め方やソース管理の方法を、夏合宿での対面での学習・演習と後期のプロダクトの開発を通して体に染み込ませるような学習をすることができました。
チームで学修して良かった事、苦労した事、またその成果
お互いの技術的な得意不得意をカバーし合うことはチームとして進めたからこそのできたことでした。ただ、そのためのコミュニケーションがリモートだったため、相手がどのような状況なのかや話している時の雰囲気が掴みきれないところには苦労しました。リモートで相手の端末の操作ができるようなビデオ会議ツールやチャットツールを使うなど試行錯誤しながらコミュニケーションを安心して取れる状況を作り上げたことで、離れた相手とでも安定した開発を進めることができました。
その他
受講当時はまだ主流でなかったリモートでの受講ができたことが、今のリモートでの業務にも生かすことができていると思う場面が多々あり、当時の受講に向けて調整していただいた皆様に心より感謝しております。
2019年度 修了生の声
enPiTプログラムを受講した感想
いろいろな人や新しい技術を得るいい機会でした。
顧客の意見を聞いてそれを必要か不必要かの判断をする、その分、いろいろな人と相談するし、アプリの良さをお客さんに紹介する方法も考えなければいけない、これほどまでに他人とのコミュニケーションを必要なのは初めてでした。チーム開発で仲間との意思疎通、イメージ共有や進歩を把握して、定期的にフィードバックをもらう、この開発方法のノウハウは今の環境では受けにくい授業で大変貴重な体験をすることができました。
enPiTプログラムを受講して修得(経験)した事、また苦労した事
開発の進歩とイメージ、これからの方針を定期的に発表、共有することで欠けても続行することができることができました。
チームで学修して良かった事、苦労した事、またその成果
enPiTでイメージの共有とそれをした際の資料を残しておくことによって、後で見返したりする癖がつくようになりました。
その他
今のコロナの時期では、大学も自宅授業になっている中、このenPiTはコミュニケーション能力を育むには絶好のチャンスです。普段の授業後の何気ない会話や外部の学校の情報などコロナによって得られないコミュニケーション能力をこのenPiTで得られるでしょう。
2020年度 修了生の声
enPiT プログラムを受講した感想
普段の講義とは違った新しい経験をすることができました。通常、学校の講義や自身での勉強では個人の技量に焦点を当てて学習を行います。しかし改めて考えてみると、学校ではチームでの開発方法を教えてくれません。enpitプログラムでは「チーム開発の手法」に焦点を当てており、実際にチームでのソフトウェア開発を行い経験することができました。学生として学校の講義を受けると単位がかかっているので失敗することを恐れてしまいがちです。enpitプログラムでは失敗しても咎められるわけではなく失敗を経験して多くを学ぶという講義のため、普段の講義では学べないことが多かったと感じます。
enPiT プログラムを受講して修得(経験)した事、また苦労した事
アジャイル開発を実際に経験して苦労したことは、顧客の立場になって考えるという部分です。開発者側の立場だとすぐにできることを終わらせてしまいますが、顧客の立場になって考えると「それはそもそも必要なのか」という疑問に陥ることもありました。問題に対して解決策が見つからないときに新しいアイデアで解決しようと考えがちでしたがアフォーダンスを良くして解決することができ、技術面だけでなく知識面でも成長したと感じます。
チームで学修して良かった事、苦労した事、またその成果
通常のenPiTプログラムでは対面で講義を受ける形だったものが、今年は完全オンラインでチーム開発をしました。リモートだったからこそチームでの意見交換が1番苦労しました。様々なツールを活用しなければ意思疎通が取れず、「そのツールを活用するための時間を開発に回せれば」と考えたこともありました。しかし、全員が意見共有できるまで話し合いが続くため間違ったものができるということはなかったと思います。現在はチームでの意見交換に時間を割くことはとても有効的な行動だと感じます。
教員からのメッセージ 学長 / 川田 誠一
東日本大震災の復興もまだまだのある日のこと筑波大学から連絡がありIT人材育成の大学連携プロジェクトを立ち上げるので参加しないかとのことでした。何度かの会合の後、2012年3月に大阪大学を幹事校として15大学が連携した「分野・地域を越えた実践的教育協働ネットワーク(enPiT)」 がスタートしました。産技大は筑波大学、公立はこだて未来大学と連携してビジネスアプリケーション分野で社会人や院生の教育を開始しました。その後本学と連携協定を締結していた琉球大学に声をかけ琉大の学生が他の大学の学生と一緒に東京で合宿できる仕組みづくりをした当時、教員の出張旅費は良いが学生の旅行費用は支出が許されず、認めてもらうのに苦労したことが笑い話のようです。enPiTをプロモーションするグラフィックの日本地図に沖縄が描かれておらず、琉大の名嘉村先生に指摘されるまで誰も気づかなかったお恥ずかしい話も懐かしいです。私の仕事は仕組みづくりで、実際の活動は本学教員や本学客員の吉岡先生、永瀬先生のご活躍でここまでやってこられました。機械工学が専門の私にとってアジャイル生産システムとして慣れ親しんだアジャイルという概念が情報システム開発で花開いていることも本プロジェクトの教員の皆様のご活躍の賜物です。ここに感謝の意を表します。関係者の皆様ありがとうございました。 |
教員からのメッセージ 情報アーキテクチャコース / 中鉢 欣秀
本学は、学部を持たない専門職大学院大学として、他の大学と少々異なる立ち位置でenPiT事業に参加しました。第一期のenPiTでは修士課程の学生として本学の多くの社会人学生が参加し、第二期では、他大学の学部生の協力を得てプログラムを遂行することができました。本学では、当初よりアジャイル開発に対応する人材の育成に注力してきたこと、クラウド型開発環境を積極的に活用し遠隔でのコラボレイティブな開発のための技術を教育に取り入れたこと、など一歩リードする教育プログラムを実施しました。実践的IT技術者を育成するための多くの知見が得られ、今後の本学における教育にも大いに活用できる成果となりました。最後に、enPiTに参加した多くの大学教員・職員の皆様と幅広い人的ネットワークが構築できたことが本事業の特筆すべき成果だと感じております。事業は終了となりますが、この人的ネットワークをますます発展させるべく、尽力したいと思っております |
教員からのメッセージ 情報アーキテクチャコース / 永瀬 美穂
2013年からenPiT1および2のトータル8年間で、本学のenPiTプログラムを修了した学生は計26チームにものぼります。修了したチームには、成果をあげたチーム、不完全燃焼のチーム、いろいろあったと思います。すべてが学びです。このプログラムで得られた経験が修了生の血肉となり、その後の人生やキャリアに大きく寄与するものであることを願ってやみません。 2013年時点で「アジャイル開発」を強いテーマにしていたのが本学だけであったことを考えると、enPiTを起点とし大学のプロジェクト型教育においてアジャイル開発の広がりを後押ししたのは、本学の大きな成果と胸を張れるのではないかと思います。enPiT終了後も構築された教員・企業人・修了生のネットワークのタネがどこかで実を結び、その価値が教育界だけでなく社会へと還元されるよう"水やり"を続けていきたいと思います。 関わってくださった皆さま、ありがとうございました。 |
リンク
enPiTプログラム
enPiT 4つの分野
enPiT-BizSysD 連携校