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起業後>学び直し
仕事人としての価値の向上を目指し社会人学生として学び続ける

創造技術専攻 2016年修了
慶應義塾大学 出身

技術コンサルタント 伏見 靖さん

学んだことや経験は学校や資格という形にする

 社会に出て10年を過ぎて以降、働きながら学び続けています。

 大学では機械工学を専攻しましたが、新卒で就いたのは法律に関わる仕事でした。就職して10年は仕事だけに専念。その間に身につけた法律の知識を整理するため、母校の通信教育課程に設置された法学部で学んだことが社会人学生としての始まりです。

 AIITに入学したのは、社会人になって23年目のこと。それまでにも行政書士の資格を取得し、勤務先の許可を得て個人事業主として届け出ています。

 学んだことは、学位や資格という形にすることを信条としています。勤続や経験の年数だけでは、仕事人としての価値を表すのに十分なアピールポイントにならないことを、仕事の中で目の当たりにしてきたためです。

 AIITで学んだのも、技術コンサルタントとして独り立ちする上で「創造技術修士(専門職)」の学位を取得し、ものづくりに関する専門的な知識を体系的に修得した証とすることが、理由の一つとしてあげられます。さらに学位以上に重要だったのは、ものづくりの背景となる、新奇な発想の技法や効率的な生産工程の設計、そして構築の過程を理解することでした。

ものづくりの背景となる発想や生産の知見を増やす

 私が目指す技術コンサルティングは、会社の応接室で担当者と向き合い、話をすることではありません。開発や生産の現場に技術者と立ち、独自性に富み、より良い知財となる製品を共に考えることです。会社の機密に関わりますから、強固な信頼関係が求められます。その前提となるのが、顧客の利につながるコンサルタントならではの視点や現場の人間が持ち得ない広範な知識である考え、それらを修得することが、AIITで学ぶ第一の目的でした。

 在学中に受講した科目は、どれも入学前の期待に違わぬ内容だったといえます。例えば創造設計特論では、発想のプロセスを学びました。設計工学特論ではメーカーが採用する設計の定石について、信頼性工学特論では製品の品質を保証する各種のパラメータについて理解できました。いずれも製品として世に出る前段階に関する知見であり、ものづくりの現場をリアルに思い描くことができました。そして、実際のものづくりはPBLで体験します。

 私たちが取り組んだPBLは、人の体に貼りつけたセンサーで取った心拍数から気分や精神状態を解析し、その結果を光で表すデバイスの開発でした。チームの中で回路の製作を担当した私は、連日のように夢工房※に籠もりました。電子工作は実に30年ぶり。ハンダごてを握る手にも力が入りました。

通学して学ぶから出会える起業を目指す仲間

 社会人になってからも学び続けてきた私ですが、実は通学して学んだのは大学以来のこと。そこには通信制にはない出会いがありました。AIITで学ぶ社会人学生には起業を目指す人も多く、修了後も法律や申請に関する相談に応えることがしばしばあります。もちろんそれは、友人としての対応。私が目指す技術コンサルタントに相応しい知識を求め、今後も“学び直し”ならぬ“学び続け”に取り組みます。

※夢工房(東京夢工房)…大型モニタ−等が設置されたミーティングスペースと、3Dプリンター、レーザー加工機等が設置されたワークスペース。

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