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島田晴雄理事長 挨拶

島田晴雄理事長

 公立大学法人首都大学東京理事長として法人を代表して一言ご挨拶申し上げます。
 皆様、本日はご入学誠におめでとうございます。そしてご家族の皆様にも心からお祝いを申し上げたいと思います。
本日は総勢96名の新入生の方が入学されたと理解しております。創造技術専攻47名、情報アーキテクチャ専攻49名で、中国の方も多数入学され、またモンゴルからも今日お一人入学されております。年齢層も非常に様々で、20代から60代、最高齢の方は68歳です。本当に素晴らしいですね。これは日本でも珍しい多様な学生の構成です。大いにその多様な方々と切磋琢磨して、この強みを生かして勉強していただきたいと思います。また、今は大変激しい技術革新の時代です。こんなことを言うのも釈迦に説法ですけれども、今は第4次産業革命の時代だそうです。最近では5Gが登場するということで、伝達速度がものすごく早くなっています。このような技術が色々な形で行き渡った時には、社会の生活も企業も全部繋がりますので、我々の想像を超えるような時代になると思います。そういった時代に皆さんはお一人お一人のキャリアアップ、キャリアチェンジ、スタートアップを目指して頑張られるわけですから、本当に素晴らしいことだと思います。

 本学は22歳以上を主として、社会実務経験のある人々を対象にしているわけです。2年間高度な勉強を行う。専門職大学院はそういった位置づけで出来ており、文部科学省が机上の学問だけではなく、もっと実務に近い現実で役に立つ学びをしてもらいたいと作ったわけです。

 技術に特化した専門職大学院は数が少ないですけれども、諸々の専門職大学院の中でこの大学院が最も優れていると思います。非常にユニークで断トツに成果を上げている。そのため、皆さんの勉強の仕方を文部科学省や経済産業省の方が勉強に来られる。そのくらい圧倒的なポジションにいらっしゃるので、それを踏まえて本当に頑張って頂きたいと思います。そして、ここの教授陣が非常に素晴らしい。その中の3割の方が実務家です。JRの流線形の設計をされたアートデザインの専門家の方など、本当にすごい方々です。こんな立派なアドバイザーにアドバイスをいただきながら産業技術が学べるところは全国でもここしかないと思います。

 ここでの学習の特徴はPBLです。「Project Based Learning」。机で勉強をする、聞いて勉強するというのが勉強にはありますけれども、やはり世の中では総合的に色々な問題が関わってきて、リスクがある中で「解」を出さなければならない。しかも、一人で仕事は出来ませんからチームを作ってみんなで戦って良い「解」を出す。これを現場で行える大学院はここしかないと思います。そのため実は国際社会でも、ものすごく強い関心がこの大学院に集まっているのです。2020年の4月には今の体系を更に深めて、産業技術専攻という大きな括りの中で情報アーキテクチャーコース、創造技術コース、それから事業設計工学コースをお作りになる。特にこの事業設計工学コースは、企業を起こすときのノウハウを「見える化」することになる。日本でも最先端で他に類例がないと思います。ですから、皆さんの活躍に大きな期待が掛かっているわけです。

平成31年度入学式風景

 そして昨年からシニアスタートアッププログラムが開始されました。シニアで会社を興したいという方々が参加されています。昨年度26名の方が修了されたわけですが、この方々がPBLをどこで行ったかというと、なんと八丈島です。八丈島も東京都ですから。八丈島もいろんな問題を抱えているわけですけれどもよく分析をして、八丈島の町長さんも参加してくださいました。今年のシニアスタートアッププログラムでは、多摩地域の振興の問題を取り上げてPBLを行うと伺っておりますので大いに期待をしたいと思います。
 先程、国際的に非常に関心が集まっていると申し上げましたが、実は川田学長をはじめ皆様がリードされているAPENという組織があります。これは「Asia Professional Education Network 」という組織で、現場でチームを作ってとにかく成し遂げる、使える技術・ノウハウを総動員して成し遂げるという、経済発展する国々にとって一番貴重な現場の技術を身に付けたいと、特にアジア諸国から熱い視線が注がれております。APENにはアジアの13か国から大学が参加しているのですけれども、各国の超一流大学とAIITが伍しているのではなくAIITがリードしているという。皆さんそういったメリットを今後十分に享受していかれると良いと思います。この7月にはその中の何校かの代表が八丈島に集結し、大いにPBLを学び、切磋琢磨しようということだそうですから楽しみですね。


 また、半年くらい前に小池都知事をエジプトの教育科学大臣がお訪ねになられました。日本の産業技術についての教育の実態を知りたいということで本学にも来られたのですが、その際大臣が非常に興味を持たれまして、是非エジプトにも来てくださいということで、川田学長をはじめ先生方が3月上旬にエジプトに行ってPBLを一生懸命説かれたんですね。これから発展していかなければならない国にとって、皆さんが行っているPBLが非常に重要な教育訓練学習法なのです。大いに自覚して頑張って頂きたいと思います。
 この2年間多様な方々と切磋琢磨をしてPBLを行って、産業界の大先輩のお話を聞いて、またいろいろ刺激を受けて頑張ることで素晴らしい期間になると思います。人生で最大の資産は、誰に出会い誰を知るかです。ここはそういう出会いと知合いに恵まれ、薫陶を受ける宝庫だと思います。存分に活かして大いに成長していただきたいですね。

島田晴雄理事長

 最後に法人の概略的なところを申し上げます。公立大学法人首都大学東京には皆さんの産業技術大学院大学と、東京都立産業技術高等専門学校、それから八王子の南大沢に首都大学東京があります。法人はその3つを管轄しておりますが、現場を持っていません。現場は持っていないのですが、皆さんが素晴らしいことを色々な場所で行っているのを見ることが出来ます。世間に知ってもらいたいものは取り上げようということで新たなプログラムとして、発信プロジェクトをスタートしております。「二大学一高専Channel」とスマホに入れていただけますでしょうか。YouTubeに動画をアップしております。動画では皆さんの先輩が喋っております。その他、川田学長と私の対談もございます。これを皆さんのご家族及びご友人等、どんどんSNSに広めていただいて、色々な方に観てもらいたいですね。皆さんの活躍をどんどんグローバルに発信していこうと思っております。
 本当に素晴らしい大学に入られたので、先輩、先生、友人と切磋琢磨して、あの時代は良かったなという素晴らしい人生を送ってください。皆さんのキャリアアップ、キャリアチェンジ、スタートアップのためですから。これを以て本日のご挨拶に代えさせていただきたいと思います。誠におめでとうございます。

平成31年4月6日
公立大学法人首都大学東京
理事長 島田晴雄

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