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島田 晴雄 理事長 挨拶

島田 晴雄 理事長

 ただいまご紹介を賜りました公立大学法人首都大学東京理事長の島田晴雄でございます。今日は学位授与式で学位を手にされて本当におめでとうございます。

 そして、ご家族の皆様も何名かお見えになっていらっしゃいますが、本当に今日はおめでとうございました。皆様はここにいる多くの方にお世話になられたと思います。来賓の方をはじめとしまして、特に今日は濱野品川区長自らご出席頂きまして、ありがとうございます。来賓の皆様それぞれのお立場、それぞれの役割で、本当に我々全体を皆様が助けてくださいまして、本日を迎えることができました。

 今日は、情報アーキテクチャ専攻の皆様52名そのうち中国の方は3名、また、創造技術専攻37名、そのうち中国の方は多いですね14名いらっしゃいます。よく頑張られたと思います。本学の特徴は年齢層の幅が広く、非常に若い人から経験豊富な方までいらっしゃって、20代の方が28名、30代の方が29名、40代の方が19名、50代の方が10名、60代の方が3名、今日最高齢の方は69歳でいらっしゃいます。本当におめでとうございます。これまで過ごされた2年間の色々な思いが恐らく皆様心の中に込み上げてきておられると思います。皆様が修了されるこの専門職大学院は、英語ではAIIT (Advanced Institute of Industrial Technology)と言いますが、世界でも知られています。全国には色々な分野の専門職大学院がありますが、この大学院は突出した成果を出しております。この大学院には他の専門職大学院の先陣をきる取組が多々ありまして、文部科学省の方々も、技術の面では経済産業省の方々も度々この大学に勉強に来られたり見学に来られたりと、皆様も研究している中でそういう場面に度々出くわされたと思います。そういうところを皆様は修了なさるわけですから、大いに誇りを持って頂きたいと思います。

島田 晴雄 理事長

 今、人生百年時代と言われます。100歳以上の方が全国で7万人近くいらっしゃいますので、本当に長い人生です。長い人生を充実して活躍するにはどうしたらいいか。最も重要なことは体力・気力・学力・技術です。これは長い人生を充実して生きていく力となります。これまでの世界各国、特に日本の教育制度では小中高校大学と大体20代前半までに学び、後の80年間はそこで学んだ知識を転がしていましたが、もうそういう時代ではありません。これからは人生、何度も何度も学び直しながら、経験を学問として整理し、そして学び、次の経験を築く。まさに産業技術大学院大学はそれを実践されているわけです。
 今ものすごい勢いで技術が変わっていきます。第4次産業革命の真っ只中だそうですけれど、これからの情報革命ではもっと変わってもっと進化し、ありとあらゆるものが繋がって、生活や事業活動にも健康にも影響し、経済活動に関わると言われています。「フィフスジェネレーション」「5G」と言いますが、心から期待をしたいと思います。

 世界は突進し、皆様はその最先端を走っていらっしゃるのですから、大変期待をしたいと思います。皆様が学習されたPBL(Project Based Learning)は素晴らしいと思います。物を学ぶということは技術・知識を学ぶことですが、それを実戦で試して、実戦で使えるのか、チームワークを組みながら使えるのかを求められるわけです。一般的にはアクティブラーニングと言われますが、大学院レベルのアクティブラーニングでは、PBLが力を発揮しております。今、学長はAPEN(Asia Professional Education Network)というアジアの超一流大学のグループの会長をなさっておりまして、APENの大学が今度八丈島に来て合宿をしながら、AIITでは何をやっているのかを学びます。

 また、シニアスタートアッププログラムが昨年の夏からスタートしました。修了された方には70代の方もいらっしゃいまして、大変レベルの高い方々、素晴らしい方々が学ばれ、PBLをなさっております。
 社長さんもいらっしゃいまして、皆様、年齢も違う、国籍も違う、専門分野も違うという多様な方々と2年間懸命に勉強し、新しい自分を作ったと思います。釈迦に説法ですが、人生の大変な宝です。
 人生を振り返ってみると、自分を形成する最大のファクターは、自分の努力もありますが、誰に会うか、誰を知るかなのです。これだけ多様な経験豊富な方々と2年間一緒に過ごしたことは、かけがいのない宝となっていきます。自分の努力と自分が築いた人脈と、素晴らしい先生方、地域社会の方々。ここは品川区ですが元々はモノづくりが盛んな街でして、その品川の方々も産技大のことを大切に思ってくださっています。濱野区長がいらっしゃっております。ご自分の努力とネットワークをフルに活用して頑張ってください。

島田 晴雄 理事長

 私もエコノミストですから経済を注視しているのですが、世界経済はこれまでアメリカが主導してきましたが、今年からは良くないと思われます。マイナス成長が二度続かなければ不況とは言いませんが、安倍政権では四半期でマイナス成長が二度続いたことはなく、幸運でした。これからは四半期でマイナス成長が二度続くということもあると思います。相当難しい時代が続くと思います。皆さんが待ち受けている経済環境はあまり良くない。しかし、それを皆さんがどう克服したか。政府機関の方々も努力すると思いますが、皆様にとっては先ほど申し上げたとおり身に付けた努力・人脈をフルに活用し、大いに自信を持ってください。皆様の修了を心からお祝いいたします。
 これを持って皆様への祝辞にかえさせて頂きたいと思います。

平成31年3月16日
公立大学法人首都大学東京 理事長 島田晴雄

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