研究

研究科長あいさつ

産業技術研究科長 橋本 洋志

 産業技術大学院は、東京都が設置した公立大学として、高度な専門性を有する高度専門職業人(本学はアーキテクトとも称する)を育成することを使命の一つとしています。高度専門職業人の定義は様々にありますが、ここでは、常人では困難なことをさらりとこなす能力を有する人とします。例えば、優れたアイディアを幾つも瞬時に発想でき、それらの可否を検討するうえで、会社や地域社会の適応性と受容性、および実現性という複合的な観点を幾つも取り入れて客観的な分析と評価を迅速に遂行できる力。または、人々の生活様式や価値観を変えるような製品・商品の提案・設計・開発・市場提供のプロセスについてチームをまとめながら完遂できる力、などがあげられます。
 高度専門職業人を輩出する意義は、当人自らの生活を豊かにすると共に、現代社会や我が国が抱える問題を人の心、物質、環境、文化などの面を考慮しながら改善して、豊かな社会を産み出すことに寄与することにあります。そのため、本学は、我が国に真に必要な高度専門職業人の領域を多数の公的機関・企業の関係者、有識者からの意見を基にして、次の専攻を設置しています。

「情報アーキテクチャ専攻」
情報システムの開発の現場で活躍できる情報システム開発のための各種のIT高度専門職技術者「情報アーキテクト」を育成するカリキュラムを提供しています。

「創造技術専攻」
デザインとエンジニアリングの融合によるイノベーションデザイン能力を身につけ、新たな商品やサービスをプロデュースできる人材を育成するカリキュラムを提供しています。
 さらに、事業創造や新規事業開発に精通した人材を育成するため、両専攻に事業アーキテクトコースを設けています。

 高度専門職業人の育成について、一般に学習には根幹的な学習目標が必要で、これには世界的に認知されている「改訂版タキソノミー(the Revised Taxonomy)」があります。これは、次の6段階の認知過程次元(学習目標分類)からなるものです。
 1:記憶する→2:理解する→3:応用する→4:分析する→5:評価する→6:創造する
これが意味することは、知識や経験を豊富に有しているだけでは、評価力や創造力を求める高度専門職業人とは言えません、と述べています。本学の教授陣は、研究成果が優れているのみならず、この一連の学習プロセスに学生を上手に導く秀でた教育メソッドを有しています。このため、多様な背景・経験を有する学生個々人は、今まで見たことも触れたことの無い領域の学習を円滑に行えますので、新しい分野を安心して存分に本学で学ぶことができます。

この教育メソッドは、本学独自に築き上げたものであり、特色的なブレンディッド・ラーニング(アクティブラーニング、eラーニングなどを融合した教育手法)を始めとして多様な教育メソッドを体系化したAIIT PBL Method (Advanced Institute of Industrial Technology Project Based Learning Method)という国内・海外で代表的な教育手法を提供しています。そのため、海外においても、このメソッドの導入が行われつつあり、学生もその活動(グローバルPBL)の一端を担っており、貴重な異文化体験を得ることができます。

 本学の学びやすい学習環境で、本学が提供するAIIT PBL Methodを通しての学習を経て、新領域で新たな能力を存分に開花させる、本学は、そのことができる教育プログラムを提供しています。

産業技術大学院大学
産業技術研究科長 橋本洋志