平成29年度秋季入学式を実施しました

 平成29年10月2日、産業技術大学院大学秋季入学式を実施しました。この日、情報アーキテクチャ専攻6名、創造技術専攻9名が入学しました。新入生に向けた学長の式辞を紹介します。

川田誠一学長 式辞

川田誠一産業技術大学院大学学長

 本日、産業技術大学大学院に入学した情報アーキテクチャ専攻6名、創造技術専攻9名の皆さん、入学おめでとうございます。教職員ともども皆さんの入学を心からお祝い申し上げます。またこれまで皆さんを支えてこられたご家族や関係者の皆さまに心よりお祝い申し上げます。

 本日皆さんは本学で学ぶために新しい一歩を踏み出しました。

 皆さんご存知の通り、我々は世界のダイナミックな動きの中で生活を営んでいます。直近では北朝鮮が核開発、ICBM開発などで国際社会に挑戦している姿を目の当たりにしています。英国のEUからの離脱の決定があり、今後の世界経済の推移については予断を許しません。また、地域紛争が世界的に波及し海外で仕事をする日本人の生命も危険にさらされるような事態もございます。日本においても被災地の復興はまだまだの状況であり、エネルギーの確保、食料の確保、少子高齢化問題、国の安全保障の問題など様々な課題があります。

 このような時代背景の中で、更なる高みを目指して本学に入学された皆様を我々は誇りに思います。

 本学の建学の理念は専門的知識と体系化された技術ノウハウを活用して、新たな価値を創造し、産業の活性化に資する意欲と能力を持つ高度専門技術者の育成を目的とするものであります。そして、東京の公立大学として、本学には3つのミッションが求められています。ひとつは、東京の産業振興に資する高度専門職人材(プロフェッショナル)の育成であり、また、高等専門学校と連携した9年間一貫教育・複線型教育システムの実現と、産業振興にかかわるシンクタンク機能であります。

川田誠一産業技術大学院大学学長

 さて、実社会で直面する技術課題は演習問題ではありません。一つの専門知識やスキルで解決できない課題がほとんどです。従来の大学院教育で実施されてきた体系的な知を獲得しているだけで解決できるほど現実の問題は単純ではありません。むしろ従来の知識だけでは、その本質を理解することすら困難な複雑性を持っているのが現実です。それぞれが技術横断的な問題解決を必要とするのです。

 本学では、このような現実の問題を高いレベルで解決できる人材を育成するために豊富なケースを用いた授業や本格的なPBL型教育を導入することで、実践的な業務遂行能力を獲得できるようにしました。専門職大学院の制度上の特徴は、『理論と実務を架橋した教育を行うことを基本としつつ、少人数教育、双方向的・多方向的な授業、事例研究、現地調査などの実践的な教育方法をとること、研究指導や論文審査は必須としないこと、実務家教員を一定割合置くこと』などであり、これらは設置基準などで定められています。

 本学はこのような基準に基づいて教育システムを開発するなかで諸外国の調査を踏まえて、開学当初からプロジェクトを中心に据えた教育プログラムを実施し、それを継続的に改善発展させてきました。先ごろその成果をAIIT PBL Methodとして取りまとめたところです。このような魅力ある産業技術大学院大学では大学新卒者からスキルアップを目指す社会人学生や起業家まで年齢、職業も様々な学生が集い自らの夢を実現するために学んでいます。

 多様な学生が入学しているとはどういうことか、世代で言いますと戦後の焼け跡世代の方、団塊の世代、しらけ世代、バブル世代、かつて新人類といわれた世代、氷河期世代、団塊ジュニア、ゆとり世代、さとり世代など多様な方々が学んでいます。年齢だけではなく職種、職層も様々で、大学を卒業したばかりの方、企業の現場で活躍しているエンジニア、管理職、経営者などが本学の学生として学んできました。

 本学学生や修了生の社長で組織化した社長会も設置しています。外国人学生も留学生だけではなく、日本企業で活躍している外国人の方々も毎年入学しています。このような学生達が同じ立場でチーム活動するような学習環境は我が国では本学でしか見られないと言っても過言ではないでしょう。

 起業家を育成するプログラムでは、真のリーダーを育てようという試みを始めました。観光・物販・医療等の次世代成長産業分野が成長するためには、イノベーションによって従来の仕組みを改革し、事業を再構築できる高度人材が必要です。その基盤技術はマネジメントとIT技術なのです。本プログラムでは、産業分野を成長させるリーダーとしての高度人材を育成することを目的としています。このような教育も新たに開始しました。

 法で定められた7年毎の大学としての機関評価と5年毎の各専攻を対象とした分野別評価のいずれも適合として外部評価機関から高く評価され、本学はさらなる高みに向かって前進しようとしています。

 産業技術大学院大学は、みなさんが学びに没頭できる環境を提供しています。本学を修了されるときには、きっと高いステージにステップアップして立ち、就職先や勤務先で優れた評価が得られ、今以上に活躍できる人材になっていることと存じます。

 皆さんのさらなるご活躍ご発展が本日を契機にさらに進展することを願って私の祝辞といたします。

平成29年10月2日
産業技術大学院大学 学長
川田誠一