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産技大で学ぶ。

修了生たちのキャリアデザイン
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キャリアチェンジ 30代
  • 村井 貴さん
村井 貴さん

村井 貴さん

PROFILE

国立大学法人北海道大学
高等教育推進機構
オープンエデュケーションセンター
科学技術コミュニケーション
教育研究部門(CoSTEP)所属
創造技術専攻 2015年修了

努力したい者が集まり、努力できる場所がある 積み重ねた実務経験を社会に役立てたい

 学部生の頃から、ウェブデザインの分野で実務家教員になりたいという夢を抱いていました。ウェブデザイナーとして10年以上の実務経験を重ねたあたりから、AIITで修士号を取得し大学教員の公募に応募しようと考えるようになりました。2011年の震災を機に、自分の技能を社会貢献のために役立てたいと思い立ったことも、私の背中を押しました。

デザインの価値を評価する多くの視点を得る

 私が持つウェブデザインの技術は、仕事を通して実践的に身につけたものです。そのため、1年次の講義でデザインとは何かを学術的に考える多くの視点を得ることができたのは新鮮な経験でした。
 例えば、人によって感じ方が違う匂いを定量化する手法や、説明が一切なくてもユーザーが適切に操作できるようデザインを洗練させるプロセスなどを学んだことで、自分の技能を客観的に評価する基準を持つことができました。
 AIITの授業はグループワークが多いのですが、年間を通して固定のメンバーでプロジェクトを完結させる2年次のPBLの密度は別格です。
 私は、学部を卒業したばかりの20代の学生や留学生と組んだチームで、「飼育者の負担を軽減するペット用のバイオ型自動トイレの開発」に取り組みました。議論を重ねアイデアを出し合い、役割を分担して構想を具体化していきます。計画通りに進まないこともしばしばですが、メンバーの総力でリカバリーし、社会的に評価される成果物をつくり上げることがPBLの醍醐味です。そうした経験を通し、グループでプロジェクトを進めていくうえで重要な考え方や姿勢を学びました。

AIITでの学び方を若い学生に伝える

 AIIT修了後、私は北海道大学の科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)に着任しました。ウェブデザインの実務家教員として、ウェブを活用した科学技術コミュニケーションの可能性を追求しています。
 指導では、学生自らが考え手を動かし、社会に受け入れられる成果物をつくり上げる力が修得できるよう心がけています。それは私がAIITで受けた教育そのものであり、教室での佇まいまでAIITの教員を模範としています。
 研究者としては、長年実務に関わったウェブデザインの変遷を系統樹で表現する研究を進めています。研究は始まったばかりですが、今年度の日本デザイン学会においてグッドプレゼンテーション賞を受賞することができました。本研究においても、専門分野を社会に発信するための考え方やクオリティを測る基準など、AIITで学んだことが生かされています。そして現在は実務家教員としての仕事と並行し、博士課程の学生としてデザインの学問的探究に取り組んでいます。