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講義内容紹介

 1年次は、ものづくりに必要な体系的な知識と業務遂行に求められる基礎知識を学修します。

 2年次は、PBLを通じてマネジメントに活かす業務遂行能力を獲得できるよう段階的に設計されています。PBL型科目による教育の目的は、主に1年次の科目で学修した知識を実践の場で経験する機会を提供して、修得した知識を適切に使いこなせるようになることと業務遂行能力(コンピテンシー)の養成にあります。また、PBL型科目による学習では、修得した知識をそのまま使用するだけでなく、学生に知識の応用力を養う場を提供します。

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創造

創造技術基礎科目群

人間中心デザイン特論(選択)

人間中心デザインは、使う人にとって魅力的で使いやすい製品やサービスをデザインするために不可欠な方法論である。特に社会のニーズが多様化・複雑化した現在では、デザイナー自身の感覚だけに頼ったデザインは受け入れられない可能性が高くなる。本講義では、基礎となる人間中心デザインの考え方を学ぶとともに、体験(UX:ユーザーエクスペリエンス)を重視したデザイン開発プロセスとその代表的な手法の修得を通して、顧客の時代における「ものづくりスペシャリスト」に必要となる実践能力を体得する。人間中心デザインの基本を学習した後、革新的な価値を探索するビジョン構想、行動観察などの共感的カスタマリサーチ、顧客の体験価値を最大化するためのUXデザインの各種手法を修得する。また、製品がユーザにとって使いやすいものであるかを評価するためのユーザビリティ評価法を修得する。

デザインマネジメント特論(選択)

近年、デザインの概念や手法論は様々な分野への拡大が著しい。しかしデザインという言葉自体の定義も含めて、その解釈は様々であるように見受けられる。本講義は特にインダストリアルデザイン分野を中心として、デザインの意味やそのマネジメントを大きく二つの視点から考察するものである。一つは良いデザイン、すなわち魅力的なデザインや売れるデザインを生み出し保証する開発プロセスや戦略、またその為の資源としての組織・人材というような狭義のデザインマネジメントである。二つ目は商品の企画から最終的に製品がユーザーに使用されて生まれるUXまでを一貫してコントロールすることをデザインマネジメントとして考え、デザインをブランド構築やコーポレートアイデンティティ構築にかかわる重要な経営資源としてどう活かしていくかというような広義のデザインマネジメントの視点である。それぞれに多くの事例を研究学習し、デザインマネジメントに関する基本的な知識と考え方を身につけることで、デザイナーやデザイン部門のマネジメントを推進していくための能力と思考方法を獲得することを目指す。

インテリジェントシステム特論(選択)

インテリジェントシステムを実装するためのコア技術として、人工知能(AI)が注目されている。特に実世界で動作するインテリジェントシステム(≒エージェント≒AI)の知能は、「認識」、「思考」、「行動」に3つに分けることができる。本講義では、これらの3つの知能のうち最も基礎的であり、かつ、中核にある「思考」に関連するトピックを紹介する。特に、現在の状況をセンサなどで認識した後に、どのように行動したらよいのか考えるための「推論」や、ネットワークで接続された複数のインテリジェントシステム(≒エージェント)間の「協調」に関するトピックを紹介する。

プロダクト・イノベーション科目群

設計工学特論(選択)

製品設計においては、常に留意すべき着目点がある。また、設計を効率的に間違いなく進めるために、それぞれの設計ステージで発生する課題に対処する具体的な手法も有効である。これら着眼点とプロセス手法の観点から、良い設計をするための方法論を示す。講義では、設計するうえで根本となる概念について解説し、続いて具体的な手順すなわち技法や手法に落とし込む形で説明することを方針とする。毎回の授業では、授業内容に該当する問題解決手法を少なくとも一つ示し、その手法について簡単な演習を実施する。演習を通じて設計プロセスで生ずる問題の特徴や、システマティックな解決のあり方を説明する。

プロトタイピング工学特論(選択)

創造技術におけるプロトタイピングは計画されたプロダクトの持つ性質を早期に表現する手法およびその過程であり、機能だけでなく感性的なものまで含まれる。本講義では、“ものづくりアーキテクト”として求められるプロトタイピングの知識とその運用力を習得する。講義とチーム、個人ワークを組み合わせて学び、3DCADスキルの修得、ラピッドプロトタイピングの活用を通してイノベーティブなアイデアや商品・サービス創出におけるプロトタイピングの有効性について理解する。

システムインテグレーション特論(選択)

創造技術でいうシステムインテグレーション(SI;System Integration)とは、プロダクト分野のものを主に対象としており、要素技術が賢く組み合わせられ、構築された高機能な大規模システムまたは複雑システムをいう。したがって、本授業では、SIの実際例と特徴、各種要素技術の特徴、SIの問題点、分析方法を学ぶことにより、日本が得意とするところのSIの設計に関する素養を涵養することを目的とする。

品質工学特論(選択)

本講義では、品質工学の中核的手法である「パラメータ設計法」「機能性評価」「MTシステム」について学習する。パラメータ設計は、開発者の名前をとって「タグチメソッド」と呼ばれたり、その目的から「ロバストデザインメソッド」と呼ばれたりもする。その内容は、市場での品質トラブルを未然防止するための設計手法である。機能性評価は、品質ではなく機能を評価するための手法であり、開発設計を効率化することを目的とする。そして、MT(マハラノビス・タグチ)システムは比較的新しい手法で、予測や診断、判別のためのパターン認識の手法であり、現在、様々な分野に応用が進んでいる。

信頼性工学特論(選択)

製品や設備が与えられた使用環境や使用法で、決められた期間にわたり要求された機能を果たすかといった信頼性はリライアビリティと呼ばれ狭義の信頼性を指す。機能性だけではなく安全性も損なわないというのが広義の信頼性である。最近では製品の安全性に対する顧客や社会の目がますます厳しくなってきており、製品安全の確保は企業にとって最重要の課題である。そこで本講義では、信頼性・安全性工学の基礎を学んだ後、実務に役立つ信頼性と安全性の設計手法を学ぶ。信頼性・安全性は企業のブランド構築に大きく寄与するものである。

創造設計特論(選択)

製品やサービスの設計は、企画→仕様の決定→概念設計→詳細設計の流れで行われる。本講義では、上流工程である概念設計で使える発想法や思考法を解説する。具体的には、技術コンセプトの創出に役立つTRIZ(創造的問題解決の理論)、複雑なシステムの設計に役立つシステムシンキングといった思考法や発想支援技法を学ぶ。さらに、製品・サービスを普及させるためには、ビジネスモデルも必要となるため、ビジネスモデル構築のためのフレームワークも解説する。個人ワークやグループワークによる演習を通じてその理解を深める。

チーム設計・試作特別演習(選択)

製品の設計とプロトタイピングによる検証・評価は一巡のプロセスで済ませることが理想だが、実際には何度か繰り返しながら行うプロセスとなる。プロトタイピングの過程で不測の問題を生じたり、要求項目を変更せざるを得ない場合も生じたりする。このようにダイナミックに変化する状況のなかで、チームとして製品を作り上げる開発・設計を演習する。この授業はPBL形式で実施し、提示された一つの課題を対象にチーム設計を進めていく。演習を通して、設計開発プロセスの問題やその解決法を体得する。

インダストリアル・デザイン科目群

プロダクトデザイン特論(選択)

本講義では、「ものづくりアーキテクト」に求められるプロダクトデザインの知識とその運用力を修得する。課題の発見から解決手法について、講義とグループ、個人ワークを組み合わせて学び、一連のプロダクトデザインプロセスを理解することによりデザイナーがもつ創造的な問題解決手法が広く企業や社会に活用できることを知る。

価値デザイン特論(選択)

デザインの価値は、しばしば非言語(かたちや色といった視覚言語など)の操作(かたちの操作)による美的・感性的形式のありようとして議論されるが、本来的にはデザインされたシステムやプロダクトを通じてユーザーにどのような意味が提示できたかというコミュニケーションや関係性の問題として議論することが重要である。本科目で扱う「価値デザイン」は、このデザインの価値を優先する意味の設計手法である。講義の前半では、「価値デザイン」を理解する前提として、デザインの歴史的解釈や記号的解釈、さらにデザイン思考について学ぶ。後半では、デザイン価値に基づく設計手法について、そのプロセスを具体的な事例とともに学ぶとともに、ユーザーに提示すべき意味をいかに非言語操作で表現するかというコミュニケーションや関係性の設計について、イメージボードを用いた手法で実践的に学んでいく。

コミュニケーションデザイン特論(選択)

「コミュニケーションデザイン」は近年デジタル技術の発達とともにその概念が大きく変化し、単純なヴィジュアルコミュニケーションからGUI、HMIなどからインタラクションデザインまで概念が大きく拡大し、またダイナミックに変化を続けている。本講義では、この何かを伝えるという「コミュニケーションデザイン」に関わっていく際に必要な基本知識の習得と概念の構築、またコミュニケーションデザインの基本プロセスを学んでいく。最新のインタラクションデザインやさらに社会的な関係性の構築を目指す新概念のコミュニケーションデザインまで豊富な事例の紹介と研究、また実践的なスモールプロジェクトを行うことで開発実務に必要な知識やスキルの習得を目指す。

工業デザイン材料特論(選択)

本講義では、“ものづくりアーキテクト”として求められる工業デザイン材料の知識とその運用力を習得する。講義とグループ、個人ワークを組み合わせて学び、材料視点でのプロダクトを提案、プロダクトデザイン視点での材料開発提案を試みることで、デザイン価値を見いだす手段として工業デザイン材料をとらえる力を身につける。

デジタルデザイン実習(選択)

デジタル技術の進歩が著しい今日のものづくり領域において、3Dデータによるカタチの操作は、インダストリアル・デザインを専門的な職能とするものだけではなく、ものづくりに携わるすべての人材にとって、表計算や文書作成のように、業務の遂行に不可欠なコミュニケーションの技能となりつつある。本実習では、これから異分野としてインダストリアル・デザイン領域を学ぼうとする学生を想定し、将来的に柔軟で多彩な立体表現を可能とする技能として、サーフェスモデラーによるモデリングの基礎技能の修得と活用方法を学ぶ。

デザイン表現実習(選択)

インダストリアル・デザインでは、デザイナーはその試行を2次元のスケッチや3次元のモデルに可視化・具現化することで、ユーザーに対し対象物の新たな価値や行為の可能性を提示する。このカリキュラムは、1~4Qを通して各Qで開講されるインダストリアル・デザインの特別演習の最初のプログラムであり、デザイナーにとって不可欠な「思考の可視化」の基本となるスキルを実践的に学んでいく。そして、この「思考の可視化」のプロセスを身に付けることで、抽象的な概念と具体的な対象との結びつきや、かたちで考えるというデザイン思考を身体化し、デザインは必ずしも答えが1つではなく多様性が存在するという理解につなげる。インダストリアル・デザイン特別演習を継続的に履修しようという学生で、デザインの基本スキルをまだ身に付けていない学生を主対象とし、2Q以降の「かたちの操作」を行えるスキルの取得を目的に内容を構成している。

造形デザイン特別演習(選択)

インダストリアル・デザインでは、デザイナーはその試行を2次元のスケッチや3次元のモデルに可視化・具現化することで、ユーザーに対し対象物の新たな価値や行為の可能性を提示する。このカリキュラムは、1~4Qを通して開講されるインダストリアル・デザイン科目の演習の中で「デザイン表現実習」に続くプログラムであり、具体的なプロダクトのデザイン提案を行ことにより、「かたちの操作」、「コンセプトの可視化」の能力を高める。

プロダクトデザイン特別演習(選択)

インダストリアル・デザインは、民生機器、産業機器、公共機器などの広範な工業製品とそのシステムを対象に、エルゴノミクスやエコロジーなどの機能的な視点と文化的あるいは記号的な視点を融合して、エレガントな設計解(デザイン)を導き出す手法である。それは、変わりやすさ(variability)を探索するプロセス(あるべき姿に近づくための実行可能なオプションを見つけること)を通じて、未だ存在しない人工物、製品、慣行を計画、設計するものである。そこで、この演習では身近なプロダクトを対象に、デザイン開発の基本ステップを体験し、ものづくりの基本スキルを修得する。

デジタル技術科目群

組込みシステム特論(選択)

組込みシステムとは、様々な装置に組み込まれ、装置の機能を実現するコンピュータシステムである。そして、これらの装置で動作し、装置の機能を実現するソフトウェアが組込みソフトウェアである。本講義では、組込みシステムのハードウェアからソフトウェア開発までを網羅的に解説する。

システムモデリング特論(選択)

組込みシステムやロボットの設計では、プロダクトの形状とともに機能や動作を実現するための制御を実現することが重要である。本講義では、まず組込みシステムの開発プロセスであるV字モデルを紹介する。次に、プロダクトに要求される機能や動作のモデリング手法とモデルを用いたシステム分析・設計を学習する。オブジェクト指向モデリング、機能要求と非機能要求(性能、保守など)の仕様化などの話題を取り上げて解説する。また、ソフトウェア要求仕様書、ソフトウェア・アーキテクチャ設計書の作成演習をグループで行い、理解を深める。

ET(Embedded Technology)特別演習(選択)

動作や機能を実現する組込み技術は、近年のものづくりにおける価値創造において重要な役割を果たしている。本講義では、ラピッドプロトタイピング用のCUPボード(mbed)を利用して、動作や機能の実現方法を演習形式で学習する。具体的には、各種センサ、モーターやドライバICなどをブレッドボード上で配線し、目的とする動作に適合するようにプログラムの作成を行うことで、組込み技術の基礎を身に付け、ラピッドプロトタイピングのスキルを修得する。

機械学習特論(選択)

近年、人工知能(AI)がブームになっているが、そのブームの中心となっている技術は深層学習である。また、深層学習と強化学習を組み合わせたDQN(Deep Q Network)により、多くの反射的なゲームにおいて、AIがプロゲーマ以上の能力を発揮し、その成果が2015年にNatureに掲載されたことは記憶に新しい。その後に登場したAlpha Goでは、深層学習と強化学習だけでなく、さらに探索を組み合わせることにより、AIが囲碁の世界王者に勝利することができた。本講義では、強化学習、ニューラルネットワーク、深層学習、深層強化学習、探索と深層強化学習の組み合わせ方法などを学ぶ。

AIデザイン特論(選択)

社会システムをデザインする上で重要なこととしては、社会を構成する各個人にどのようなメリットがあり、各個人あるいは分散配置された各人工知能(AI:Artificial Intelligence)あるいは各サービス提供者などが自分の意思で自分のメリットを追求して行動した結果、社会全体としてどのような現象が創発され、どのような影響があるのかを評価する必要がある。従来の社会科学・工学の分野では、このような巨視的な秩序と個人行動との関連性について評価することが難しかったが、コンピュータとAI技術の発展により、ミクロレベルのシミュレーション、モデルの修正、パラメタの最適化を繰り返して、仮説、制度、社会インフラ等を評価し、改良することができるようになってきた。本講義では、これらの技術のうち、特に、文系の社会科学者も利用しているマルチエージェントシミュレーションと、パラメタの最適化技術である進化計算・群知能に注目して、社会システムのモデリング方法の基礎を学ぶ。

データサイエンス特論(選択)

データサイエンスは、「データを科学的に扱う」学問分野である。本講義では、様々なデータの収集、可視化、解析、マイニング、評価、などの手法に関する知識とスキルを学ぶ。この際、統計学、コンピュータ科学、システム工学論、信号処理論などの観点から、データに対して仮説発見、仮設検証が行えるよう、客観的・定量的評価を行うことのできる資質を身に付ける。さらに、データサイエンスの実習を通して、この体系の理解を実践的に学ぶ。

データサイエンス特別演習(選択)

データを分析し、分析から得られた結果や知見を活用する「データサイエンス」の実践能力を身に付けるためには、統計解析に関する知識だけではなく、1.現状把握に基づき課題を設定するための能力、2.分析を行うツールを使いこなしてデータ分析を推進するための能力、3.データ分析を通じて得られた内容を周囲に伝えるコミュニケーション能力など、さまざまな能力について学び、トレーニングをする必要がある。本授業では、現場の問題解決に役立てることにつながるデータの活用方法、データサイエンスについて、事例と演習を通して実践的な知識とスキルを修得する。

ヘルスケア・デザイン科目群

ヘルスケアデザイン特論(選択)

ヘルスケアデザインは、健康の維持や増進のための行為や健康管理に、デザイン思考を取り入れた学問分野である。また、ヘルスケアデザインシンキングはウェルビーイングを高めるためにクリエイティブな考えと解決策を生み出すアプローチであり、自由度の高い考え方でもある。本科目ではデザイン思考のいくつかの原則を取り上げ、一連のメソッドを取り上げる。さらに、デザイン思考をさまざまな医療分野に取り入れている先進的なデザイン事務所、企業、研究機関、教育機関の生み出す製品、プロトタイプ、研究を取り上げていく。

認知科学特論(選択)

認知科学は知を解明しようとする学問分野である。特徴として、知的活動を心的表象のレベルで分析しようとすること、コンピュータを心の一つのモデルとすること、学際的であることなどがあげられる。 例えば、脳機構のレベルで記憶など高次認知機能を解明しようとする試みや、感情、文化、社会などのテーマ、ひいては「心とは何か」「子どもは心をどう理解するか」など、心についてのより直接的なテーマも取り上げていく。同時に、それらの成果を、インターフェイス・デザイン、教育や医療福祉の環境開発など、顧客のベネフィットを最大化する製品やサービスを創造的、合理的に開発していく場面で応用検証していこうとする実用的なテーマも取り上げていく。

人間情報学特論(選択)

人間情報学は、人と人、人とモノとが関わる際に生まれるインターフェースを行き来するものを情報として捉え、そのプロセスの分析からそれを作り出すシステムのデザインまでを科学的に理解していく学問分野である。心拍数、血圧、体温などによる自律神経の働きが測定可能となった。今後は感情の起伏もビッグデータとして蓄積され、人工臓器やナノロボットなどを体内に取り込み、健康状態や病状までもモニターされるようになると考えられる。さらに巨大データベースとなり、これを活用するプログラムやデータが財となる。本科目では上記に関わる領域を取り上げていく。

イノベーションデザイン特別演習

イノベーションデザイン特別演習1・2(必修)

入学時に有している知識に加え、1年次に修得した知識を応用して、企業や組織での実業務を実施できる「ものづくり人材」(商品企画責任者と開発責任者の職能を兼ね備え、商品企画の提案から製品設計、製造にいたるプロダクトサイクルを統括してマネージメントできる人材)を育成する。ものづくり人材に期待されるコンピテンシーを、プロジェクト活動を通じて身に付ける。専門職大学院大学にふさわしいスキル・コンピテンシーを修得する。

産業技術研究科科目群

国際経営特論(選択)

現在、アジア/アフリカ諸国を含む世界の大半の諸国は猛烈な勢いで経済成長を進めている。2015年12月31日にはAEC(ASEAN経済共同体)がスタートし、近年では日本政府の強いイニシアティブによりRCEPが発効し、またTPP(CPTPP)も拡大の機運を見せている。20世紀中は「落ちこぼれ」と呼ばれたサハラ以南のアフリカでも順調な経済成長が続いている(ここ四半世紀で一人当たりGDPを低下させた「器用な」国は、日本等ごくごく一部である。)。21世紀とは、世界全体が急成長する時代なのである。この新しい時代のことを、「第3新近代」と呼ぶ。2015年に国連総会が採択したSDGs(Sustainable Development Goals)では、端的に「Leave No One Behind」つまり、世界の全ての国/地域を経済成長させる、と言っている。 本講義は、このような変化の中で、受講者に、今日のアジア/アフリカにおける起業/ビジネス展開のために必要な知識、能力を付与するものである。

国際開発特論(選択)

国際開発、とは、発展途上国(一人当たりがおおむね14,000ドル未満の国)の経済発展を進めること、を指す。ご存知SDGs(Sustainable Development Goals)はその典型である。その中で、先進国(一人当たりGNIが概ね14,000ドル以上の国)が発展途上国に対して行う、各種の経済成長支援政策のことを、開発援助(経済協力)と呼ぶ。 開発援助論の講義は、本学のみならず、世界中の大学で行われている。それらと比べて本講義の特徴は、通常の大学で行われているオーセンティックな開発援助論に加えて、あと2つ、「ここでしか聴けない」内容を提供することである(一粒で3度...)。

テクニカル・ライティング特論(選択)

本講義では、論理的な文章を作成するための導入的知識と実践練習を提供する。 昨今、SNS等の広がりにより、だれでも自由に世の中に自身の考えや計画を発信することができるようになった。これは、人のつながりに関し、各段にこれを広げる手段となった。 その一方で、第三者による精査されないままの文章が許容される状況を生み、非論理的な文章の量産と、それらの野放し状態が問題視されている。 本講義では、物事をシステム思考に従って整理し、論理的な文章を作成する方法の修得を目指す。 その際、母国語の能力以上には、第二言語の能力は成長しないことに注目し、日本語の文章でそのほとんどを学習し、日本語と欧州の言語との違いを確認した上で、英語の作文方法につなげる。

DESIGN[RE]THINKING(選択)

In recent years design thinking has gained legitimacy and popularity as a process for developing design and businesses to solve problems. Design thinking typically shares fundamental principles: human-centred, empathizing, prototyping, and testing. Design thinking has proven itself valuable in fostering creative culture; all the while, it has also been vastly misinterpreted and evangelized as a quick-fix solution that anyone can apply to a so-called wicked problem. We dismiss its quick-fix capability to enable anyone to solve problems creatively as advertised. Instead, we investigate design thinking throughout the course while leaving space to reconsider and improve its principles critically.

グローバルコミュニケーション特論(選択)

本講義の目的は明確である。受講者に、国際場裡でこれから世界を相手に闘って、勝てるようになって欲しい。ビジネスでも、外交でも、政治でも、国際場裡で自国民が外国人に負けまくっている状態では国家の発展はない。そのため、国際場裡での闘いにおいて「勝てる」ようになるために必要な能力として、第1に、現下の国際情勢に関する鋭敏な理解力、第2に、今後の世界の動向を俯瞰する文明史的視座の理解力、第3にディベート能力、すなわち世界で外国のライバルを相手に議論で「勝つ」能力を付与する。

選択必修科目群

情報倫理(選択必修)

ものづくりアーキテクトは間違いのない意思決定をする必要がある。このような意思決定の際、技術倫理に関係する問題について判断できるようになるためには、倫理問題についての理解を深める必要がある。特に、事前に起こりうる問題を想定して、予めその回答を用意するトレーニングを通じて技術倫理に関係する問題解決能力を取得することを目標として授業を設計している。受講者には討論への参加、演習課題についてレポートの提出、自ら探した事例についてのプレゼンテーションを求める。

情報技術者倫理(選択必修)

この科目では、「何故、情報技術者に倫理観が必要なのか」といった問いかけから、情報技術者に関係する各種法令やガイドライン、ルール、マナー、エチケットが構成されてきたことを確認し、その重要性や社会的背景を考慮しながら、自らの業務にどのように適用させるべきかを考え、グループで検討する。また、この科目で検討していく内容は、システム開発者や情報化の推進者として様々なジレンマに直面することがあるが、これらの事象は、情報技術の発展が定着したビジネスルールと相反するものでもあり、どの様に解決すべきか、常に考えていく必要がある。

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